高等遊民前夜

日記と考え事・雑感のログ

カテゴライズの功罪

 土曜日。昨夜の夜ご飯を抜いたため起床即空腹で、とりあえずうどんを作って食べた。冷凍しておいた牛しぐれをのせたら即席肉うどんだ。おかずストックを冷凍してくれた過去の自分に生かされていると感じた。

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 今日は同居人と昼から挙式の衣装合わせへ向かった。そもそも挙式披露宴をするつもりがなかった私たちだが、とりあえずお盆に二人だけで簡素な式をすることになった。その時の衣装を決めないといけない。衣装は、式場を決め、式場の提携している衣裳店を回って何度か試着し、決めるのが通常ルートだ。提携外のドレスや私物を選ぶと別途持ち込み料がかかる。とてもよく出来たシステムだ。

 式場を決めたあとすぐにすべての提携店に電話をしたのだが、ほとんどの店は予約が立て込んでいて6月以降しか空いていないと言われてしまった。今年は、今年結婚して式を挙げたい人とコロナ禍で我慢していた人たちが一気に押し寄せ、全てがとても混んでいるらしい。これから挙式をと考えている人は、想定よりも早く動いたほうがいいらしい。
 そんなこんなで今回伺うのが唯一、4月中に取れた全国チェーンの提携店だった。4月中に一軒目にありつけてよかった。と言ってもお盆までに全てを決めないと行けないから意外に時間がないのだった。

 提携店で説明を受けて、同居人とともに今日着る衣装を選ぶ。女性は5着、男性は3着ほど着られると言われ選ぶのだが、たくさんありすぎて迷う。あまり晴れ着にこだわりがないから、着膨れしなければなんでもいいが、選択肢が多いと難しい。しかも値段を見ずに選ぶことになるから、そういう意味でのスリルも凄まじい。自分がこんなところにきて迷う日が来るとは思わなかった。遠い国の通過儀礼って感じがする。

 私はある程度、自分の骨格とか体型に合わせてアタリを付けていたけれど、担当のお姉さんからは「初回はいろんなタイプのドレスを着た方がいいですよ、着てみると全く違いますので」と言われて、想定していたもの以外のドレスも選ぶことになった。私は選択肢がありすぎるとダメになる人間だ。脳疲労が凄まじい。
 同居人のほうは、希望しているイメージのものが今日の店舗にはあまりおいておらず、近隣の店舗にならあるようなので、取り寄せて後日また衣装合わせすることになった。

 私は典型的な骨格ストレートで、胸板にとんでもない厚みがあり、肩幅が広く、身体にメリハリがある体型だ。この場合、ハリがある生地で、上半身はシンプルなビスチェタイプが似合うはずだったのだが、


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いざ着てみると、私の二の腕がたるんでいること以外は悪くはないかも知れないが、なんだか異様に上半身が屈強に見えるという結果となった。同居人にも強そうと言われた。多分、上半身云々より下半身にボリュームのある服が似合わないだけかもしれない。

 逆に、似合わないとされるシフォンやレースなどの素材の、似合わないとされるハイウエストのほうが全体的に着膨れしなかった。こちらは素材的にボリュームが出ないタイプだ。


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四つを試してみて、ウエストが高いほうが上半身と分厚さが緩和されて見え、裾のボリュームが無く縦にストンと落ちる生地感の方がいいらしいことが分かった。なんだか衣装合わせというより自己分析をしているかのような時間だった。

 骨格診断は参考程度にするのがベターで、服選びはぜったいに試着をするべきなんだろうなと身をもって実感した。あくまで骨格を大きく区分しただけのものだし、それ以外にも個人差の大きい要素(肌の色とか、バストの有無とか、身長とか)もあるから、あまり入れ込みすぎてはダメなんだろう。お姉さんの言う通りいろいろ着てみてよかった。これまで「絶対似合わないから」で試着さえしなかった服の中にも、着た方がいいものがたくさんあったのだろうな。勉強になった。

 担当についたお姉さんは、本当に接客をするために生まれてきたかのような、とても気持ちがいい天真爛漫な雰囲気の人だった。嫌な感じが何一つない。常に私たちの気分を上げ、褒めの言葉や決め手となる言葉をくれる、とんでもないホスピタリティ精神を持った人で、プロ意識の塊だな、素直に思った。
 ブライダル業界が過酷な世界であることは、この業界に入った友人たちから何度も聞いた。こだわりのあるお客様も多いだろうから、生き生きと接客をしている様子を見ると尊敬してしまう。

 とりあえず私の衣装に関しては、3着目や4着目に形が近いものを次回までに他店舗から取り寄せてくれるらしい。もうお姉さんの営業成績に報いたくて、ここで決まりでいいんじゃないかなと思い始めた。とはいえ、同居人がまだ衣装合わせをできていないので、それから決めようと思う。

 その後、火曜日に休みだった同居人は一人で衣装合わせへと行った。その時の写真から送られてきたが、さすが一生で一度もズボンの裾上げをしたことがないと豪語しているだけのことはありどれもスタイル抜群に決まっていた。少女漫画の作画みたいだ。同居人もノリノリだったので、結局このお店で契約することにした。


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 インポートのタキシードも裾が余らなかったらしく、羨ましいかぎりだ。スタイルおばけに生まれてきたら服選びは楽しいだろうな、と思いつつ、あまり考えすぎると嫌なことまで考えちゃうからやめておいた。