木曜日。昨日、友人の挙式披露宴から帰宅したあと花粉なのか鼻炎なのかアレルギーが止まらなくなり疲れ果てて寝た。今朝も身体がだるい。高級なご飯を食べてホメオスタシスが乱れて体調がアレしたのかもしれない。昨日もらったお花が部屋中にあっていい感じ。生花にまみれた生活はよい。
仕事。とくに感想はなし。帰宅して『宝石の国』の新刊を読んだ。コミックス派だから発売を首を長くして待っていたのだ。本誌派の同居人からは覚悟をしろと言われていた衝撃の12巻。
『宝石の国』を読んだことがない人向けに念のため説明すると、この漫画の舞台は数度の隕石襲来により人間を含めた生き物たちが滅びた地球。そこに暮らす鉱石の身体を持ち、とてもとても長い時を生きる人型の宝石たちの物語だ。月から襲来し宝石たちを攫おうとする不死身の「月人」との戦いが筋書きのメインになっており、月人の正体や目的、宝石たちとの関係は話が進むにつれて明らかになる。
この漫画の異様であり面白いところは、宝石たちが身体がバラバラに壊れてもくっつければ元に戻るため、そういう意味においては「死」がないという設定だ。その代わりに、身体の一部が失われることで記憶が失われたり、失われた部分に代替の物質を補うことで人格が変わったりする。主人公は宝石たちの中でも硬度が低く脆い存在で、変貌を遂げながら生きる異質な存在だ。
そんな12巻、こんな救いのない話があっていいのかと絶望してしまった。人は嫉妬の気持ちや事故承認欲求を断ち切ることができないし、何度でも争いを繰り返すし、満足したら簡単に手のひらを返すし、平気で誰かを犠牲にするし、大きな力をもってしてもすべてを救うことができないという絶望を思い知らされるような最悪の読後感だった(褒めている)。しばらく引きずった。読後も引きずる物語はいい物語だと思う。虚構が現実まで手を出してくる。この漫画には人間が登場しないけれど、ある意味では人間そのものの終わらない業の物語だから、金づちで頭を殴られるような衝撃がある。こんなに先の展開が読めない漫画なかなかないよな。終わりまで見届けたい気持ちと、まだまだ終わってほしくない気持ち。せめて救いがある形で終わってほしいなって思う。
気が付いたらこのブログの読者登録が100人を超えていた。どこに需要があるかは分からないけれどありがたい限り。ゆるゆるとこのブログをはじめてちょうど2年くらいになります(はてブロProの更新手続きをしたところだ)。多分読者のみなさんにとって、際立って有益なことを書くことはないんだろうけれど、よろしければ今後もお付き合いください。
(なにを書いてもネタバレになるからつらい。)