火曜日。昭和の日。
この国にある祝日のうち、「昭和の日」は私にとって一等覚えにくい祝日だ。いまだに「みどりの日」だと思ってしまうし、そもそも影が薄い。昭和天皇の威光を前に申し訳ないが。世の人は、日本の祝日の名前まで憶えているのかな。昔は入試対策で暗記したりしたものだけれど。
祝日をまるまる捧げて文フリ東京40のための原稿づくり。歌集も日記本も終わって印刷済みだから、後はフリーペーパーを作成するのみ。せっかく愉快な友人と3人で初出店するのだ、3人で記念になる冊子を作りたい。そう宣言したはいいものの、冊子づくりは途方もなく難しい。言い出しっぺだから、責任もって頑張らなければと、自らお尻に火をつけて原稿に食らいつく。
それにしても、頭のなかでふんわり思い浮かべたイメージを具現化する難しさ。原稿に起こしてみれども何か違う。あんなにアイデアがあると思っていたくせに、いざ形にしてみるとそのアイデアなどふわっとした雲のようなもので、急に自分が涸れ井戸のように思えてくる。デザイナーって、すごい仕事だ。自分がやってみることで大変さが身に染みて分かることばかりだ。
そうだ、人に頼みたいほど大変でやりたくない作業が仕事になり、職業になり、産業になるのだ。それがこの世の理だ。デザイナーは大変だから、職業としてこの世にある。
それにしてもPC、お前はなんだ。と毎回思う。
我が家にPC(Windows2000)がやってきた小学校2年生の時から早2X年もPCを触り続けているのに、いまだに「お前、こんなこともできるのか!」と「お前、こんなこともできないのか…」を繰り返している。PCにパワハラモラハラしているみたいで気分が悪い。そして、いまだにPCのことがよく分からない。
特に今回は主にAdobeのIllustratorを使って作業していて、本当に何から何までよく分からなくなった。ブランクがあるせいか、作業画面もなんか違うし、知らないメニューが増えているし、なんだこれは…の繰り返しだった。
デザイン事務所が経験者ばかりを雇うのも、ちょっと分かる気がしてくる。知らないことを毎回調べながら作るって、簡単そうだけど疲れやストレスが累積してくる。知りたい機能を調べても、ソフトのバージョンが違ったり、iPad版だったりで、痒い所に手が届かないと発狂しそうになる。そもそも、ソフトが使いづらすぎる。これに尽きる。このソフトが商売道具の人たちは、さぞかしストレスを溜め込んでいるだろうと勝手に想像して、勝手にその人たちの健康が心配になった。
前回の日記で奮闘していた日記本が、無事仕上がった。このはてなブログの記事からピックアップしたものを大幅に加筆修正してエッセイ仕立てにしたもの。150ページ。
例によって装丁もイラストも全部自分で用意した。これが結構大変だった。次があれば、ある程度は外注しようと心に決めている。それくらいには、健康とお金を天秤にかけたら、健康に傾く瞬間が結構あった。同人誌づくり、ここまで過酷だとは。それでも、作成過程でこのブログを一から読み返すことができて、それなりに再発見もあったのだから、楽しかった。時間が経てばたつほど、自分の日記って自分とよく似た他人のように思えてくる。自己のことが相対化できる、楽しい経験。
↓5/11(日)の文フリ東京40に初出店します!機会があればぜひ!
ブースは【そ-59~60】です(「So ご苦労」で覚えてね)

