終わりゆく一年を振り返るついでに、買ってよかったものを振り返る季節がやってきました。今のマンションで暮らし始めてからそれなりに時間が経ったせいか、家具・家電などにお金を落とすこともなくなり、その分を自分へのご褒美に投資することが増えました。その反面、あまり本などを読めなかったと思う。そのための時間を捻出できなかった。色々と買ったものはありますが、人にもお勧めできるものを挙げられるよう頑張ります。
なお、アマゾン・楽天のリンクはアフィリエイトです。気になったら押していただけると、夫婦二人分の牛丼を買えるくらいの収入が私に入ります。でも、商品の参考情報として貼っているだけなので、スルーでも大丈夫です。(去年は牛丼4食分くらいの収入になりました。ありがとうございます。)
日用品編
Aesop サラシナ アロマティック インセンス
お香が好きで日頃から焚いている。Aesopのお香は煙が太く広範囲に匂いを広めてくれる優れもの。しかも1本あたり燃焼時間が30分程度と長く楽しめるのもうれしい。とにかく残り香が素晴らしくて、段違いに匂いが残る(当社比)。どういう仕組み?? 焚いた翌日に帰宅するときの感動がすさまじい。ちょっとお高めなので、人へのちょっといいギフトとして何度もお世話になりました。匂いは寺のいい香り。
KINTO KAKOMI IH土鍋 1.2L
従前の土鍋を落として割ってしまったので代わりに購入。直火もIHも可、汚れがつきにくい釉薬が塗られて簡単に洗える機能性だけでなく、その辺に置きっぱなしでもごちゃっとしないスッキリしたデザインが気に入っている。見せると「どこで買ったの?」と訊かれる確率高し。蓋の取手が熱くならないので、加熱後に素手で蓋を取れるのが地味にポイントが高い。
漆器かりん本舗 曲げわっぱの弁当箱
数年ぶりに曲げわっぱの弁当箱に帰ってきた。曲げわっぱには、無垢材を使用したものや漆器、ウレタン加工のものなどたくさんあって、それぞれに利点・欠点があるが、ストレスなく使いたいのでウレタン加工のものにした。曲げわっぱにしては安価だけれど丈夫で今のところ問題なく、木のにおいも良くて気に入っている。500mLの細長い形状も助かっている。
龍角散ダイレクト(ミント味)
この歳になって今更龍角散にハマるとは思わなかった。加齢のせいか忙しさのせいか、喉に違和感を覚えることが多く、体調管理のためにいろいろ試した結果、今年一番リピしていたのはこれかもしれない。水無しで飲めて包装も小さいから、財布やポーチの中にいれていました。心強いお守りです。おかげさまで2023年も風邪に倒れることなく乗り切りました。(龍角散はのど飴も愛用しました。来年もお世話になります。)
美容編
TOUT VERT レチノショット 0.1 / ナノエマルジョン ディープ
スキンケアに本気を出す2023だったので色々試した中でトゥヴェールにはかなりお世話になった。その中でも特に気に入って何回もリピしたレチノールと乳液。トゥヴェールは実店舗を持たないことで浮いた人件費や店舗維持費を製品に全振りすることで、値段の割に品質が高いとは噂に聞いていたけれどその通りだったなという印象。特に乳液は化粧水のような質感でさっぱり使えるのに長時間保湿されて非常にありがたい。ずっと末永く売っていて欲しい。楽天セールでまとめ買いしている。
ETVOS ミネラルアイバーム ピンクフィズ
周回遅れで今更ハマったシリーズ。すでに今年3つ目で、3つ目も底見えコスメと化している。とくに秋冬になると瞼が乾燥に負けて炎症を起こすため保湿できるものを探し、結局ここに行き着いた。結構ねっとりしているから瞼の下地代わりと言わんばかりに塗って上に粉を乗っけている(※正しい使い方ではない)。なんならめんどくさい時は上まぶたと下瞼にこれだけ塗って出勤している。だいたいなんとかなる。
MIEUFA UVケアスプレー
髪にも使える日焼け止めスピレー。写真の通りとても小さいので気軽に持ち歩いて使えて非常に便利だった。他社製品に比べて日焼け止めスプレー特有の嫌な匂いが格段に少ないところが気に入っている。特に香り付きのものはこだわっているようで、フレグランスのような自然な香り付きのものが展開されているけれど、個人的には無香料がいちばん好き。日焼け止め嫌いの夫がこれなら使うようになったという成果をあげた名品。楽天のセールで3本セットのものをまとめ買いしている。
食べ物編
かきたねキッチン
職場で貰ってから気に入ってしまい、自分でも手土産等としてよく購入するようになりました。どこへ持っていっても大人気な柿の種です。仕事場で貰うお菓子ってどうしても甘味に偏りがちだから、こういった塩気のあるものをもらえると嬉しい。食べ切りサイズの個包装もうれしい。ネットで購入出来て日持ちもするから、大変助かっています。
金吾堂製菓のおせんべい
こちらも人にいただいてハマったもの。楽天セール時に詰め合わせセットが売っているので、まとめ買いするようになりました。日頃のおやつや職場の常備食として食べていますが、どれも美味しいです。詰め合わせを買うと毎回入っている商品が微妙に違うため、そういうお楽しみもあったりする。お菓子は人にもらうことで良いものを知ることが多いなと年々感じます。
赤城乳業「sof'」
今年もアイス警察として誇りをもってアイスパトロールしていましたが、特に印象に残ったのはこれ。チョコレート味のソフトクリームがカップに入っているだけのシンプルなものだけれど、チョコがとても濃厚なのに甘ったるくなくて美味しかった。なかなか売っていないことだけが難点。私も10月以降は見つけることができず食べられていない。無念!
稲豊園「招福猫子まんじゅう」
「No Cat, No Life」と書かれた紙袋に入れて商品を渡してくれる和菓子屋のイカした猫まんじゅう食べます pic.twitter.com/0cTdYqpGDT
— 八月 (@koseee_) November 8, 2023
飛騨高山を訪れた際に購入したまんじゅう。数年ぶりに買いましたが、久しぶりに食べるととても美味しかったです。観光向けの商品化と思いきや、どの猫も皮の味、餡の味が異なっており、尋常じゃない手間がかかっています。あんこたっぷりで満足感も高し。また訪れた時に購入したいなと思います。ネットでも販売中。
ファッション編
TOGA PULLA メタルスタッズ付きローファー
丸2年間ずっと買うか悩んでいたくせに、お店に行って試着して2秒で購入を決めたもの。現代の戦闘服といった趣きの靴で、めちゃくちゃ重いし靴擦れ必至の硬さなのだけど、実物の放つ重厚感がものすごくて多くの人が買い求める理由が分かった。実用性や金額の妥当性を度外視して、本当に欲しいものを一つずつ買い集められるようになりたいなと固く誓った思い出の一足。こういうのが似合うイカしたババア(尊敬語)になりたい。
kotohayokozawa TO DO tops
プリーツ状の加工がされた生地で作られたTODOシリーズの服。自宅でじゃぶじゃぶ選択出来て型崩れもしない名品(イッセイミヤケの服に近いかも?)。決して安いお値段ではないのだけど、生地がさらさらしていて暑がりの自分にはとても着心地がよくてヘビロテしていた。今年3着買ったし来年もまた新たに買い足している気がする。
ICB スーペアリージャージー Uネックプルオーバー
仕事用の綺麗めで丈夫なトップスを探して行き着いたもの。写真を見ると普通のトップスだけれど、艶があって接触冷感のさらさら生地でオフィス勤務にもってこいで、首周りは縫い目が肌に当たらないように縫製してあって着心地抜群だった。しかも前側だけ裏地があって、インナーや下着が響きにくくなっているのがありがたすぎる。白、ライトグレー、黒の3色買いした。ちなみにVネックも売っている。オンワードってやっぱり質がいいんだなと感動した。オンワードのセールで買うと安い。
potecの靴下
貰って困らない雑貨の一つとして、友人・知人への贈り物として靴下を贈ることが多いのですが、potecの靴下は今年とても大人気で「どこで買ったの?」とよく聞かれました。他のブランドとかぶらない個性的な柄とシンプルな色使いが気に入っていて、たまに自分用にも購入しています。お値段は1500円前後~でギフトにはちょうどいい価格帯かなと思っています。レディース・メンズの両方の靴下を販売してくれおり非常にうれしい。公式サイトで買っている。
小説・エッセイ等編
高瀬隼子『いい子のあくび』
芥川賞第一作。受賞作もすばらしかったけれどこの作品もとても良かった。社会に適用して生きながらも常に違和感を抱えて生きている3つの物語が収められていて、多分この国で生きていたら分かる分かる、と思って読む人が多いんじゃないかと思う。特に表題作は、人よりもすこし先に気づいてしまう「いい子」ならではの割に合わなさを掬い取って書いていて、私自身が救われた気分になった。
市川沙央『ハンチバック』
読んでいる途中から「この人が芥川賞を獲らねばおかしい」と強く思うほどの衝撃作だった。背骨が湾曲してしまう重度障害者の女性が、両親の残した遺産で男性との性交を買おうとする話。文体と比喩表現が研いだ刃物のようで痛快。重度障害者の作者が重度障害者の話を書くという意味でも注目を集めた作品だけれど、題材や話題性抜きに文章がうますぎると思う。早く新作を読みたい。
安田茜『結晶質』
安田茜さんの第一歌集。「雪山を裂いて列車がゆくようにわたしがわたしの王であること」という歌を最初に読んだ時にすごくいいなと思ったのだけど、そのときのいいなが高純度に大きくなったような歌集だった。怒りの感情すら引き連れて自分のあるべき方を向こうとするような、まるで高僧を見ているかのような印象を受けた。自分の背筋まですっと伸びていくようで好きな歌集。タイトルも非常に好き。
齊藤彩『母という呪縛 娘という牢獄』
医学部進学を母に強要され9浪した31歳娘が母を殺した事件のノンフィクションもの。母娘問題は世の中でもありふれているし文学作品にもよく見られるけれど、これはその極致だろう。あまりに異常で濃密な母娘関係に、これが現実に起こっていたことが帰って現実味がないくらいの衝撃的な内容だった。きっとこのような人々がこの国にはまだいるのだろうかと思うと途方もなく暗澹たる気持ちになる一冊。
漫画編
ほそやゆきの『夏・ユートピアノ』
2021年春の四季大賞を受賞された短編「あさがくる」を収録した、ほそやゆきのさんの初の単行本。この作品が紙で発売されるこの時をずっと待っていた。どの短編も、簡単に言えば内的な問題や葛藤を抱えた人と人が他者とのかかわりの中で救いを見つけていくような、自己救済の話なのだけど、うまく言語化できない静かで精緻な物語になっている。派手さはないし何千万部も売れるベストセラーにはならないかもしれないけれど、この漫画を自身のお守りのように大切に思う人がたくさんいるんだろうなと思う作品でした。
大白小蟹『うみべのストーブ 大白小蟹短編集』
本当にこの漫画に出会えてよかったと思えた一冊。どの短編も、絶望的な状況でないのだけれど、生きていくなかで引っ掻き傷のような悲しみを抱えている人たちが出てきて、そんな傷を抱える人たちへの優しい眼差しを感じる物語だった。『夏・ユートピアノ』もそうだけど、この漫画を大切に思う人がたくさんいると思う。やさしい人になりたいよね、と自分自身も思える。あと、シンプルに漫画がどえらい上手いと思う。どの短編も導入部分ですでに引き込まれる、あらゆる知人にこの漫画を勧めまくった一年だった。
松本大洋『東京ヒゴロ』
今年最終巻が出て完結した作品。出版社に勤める男性が退社して、本当にいい漫画誌を作るために、良いと思える漫画家に声をかけて奮闘する物語。関わっていく人々の人生にある問題ややるせなさが生々しくて、独特の読後感をもたらしてくれた。3巻で終わるコンパクトさも好き。
音楽編
スピッツ『美しい鰭』
二十ウン年スピッツを追っているけれども、まだこんな引き出しがあったのかと心の底からびっくりした一枚。先にコナンの主題歌をやるというニュースを聞いていたので、なんとなくシリアス調の楽曲なのかな〜と思っていたら、まさかこんなドラムのフィルから始まるおしゃれなサウンドだとは。天才はアイデアが尽きることはないのだろうか…。アルバム『ひみつスタジオ』も良かったです。
ASIAN KUNG-FU GENERATION『サーフ ブンガク カマクラ(完全版)』
2008年の名盤「サーフ ブンガク カマクラ」の収録曲を再録したものに新曲5曲を足した完全版。おそらく再生時間にすると今年一番聴いていた一枚だと思う。まさかあの名盤の続きを聴けるなんて思ってもいなかったから嬉しかった。旧盤の一発録りの荒削りな感じもそれはそれでいいのだけど、完全版はブラッシュアップされて比類のない名盤になった感じ。ファン冥利に尽きる。
くるり『感覚は道標』
オリジナルメンバーのドラム森さんを含めた3人でまたレコーディングをするということで古参殺しな1枚。泣かせる。ファン冥利に尽きる。時が解決してくれることもあるんだな。シンプルで渋い曲が多く原点回帰を意識したアルバムなんだろうと思う。このアルバムもアホほど聴いた。一曲目の「happy turn」という曲が本当にお菓子のハッピー・ターンの曲だったりとか、そういうくるりが好きです。
GLIM SPANKY『The Goldmine』
グリムスパンキーは地味にずっと聴いているのだけど、今回のアルバムが最高傑作では?と思ってしまうくらいよかった。全曲シングルカットしてもいいくらいいい曲揃い。レコードを聴いて音が良すぎて、ビビって調べたらその辺もかなりこだわっているっぽくて、多方面に膨大なエネルギーを感じる名盤だった。2024年にライブに行く予定があるので、とても楽しみです。
cero『e o』
思い出補正をかけるとアジカンが年間ベストだけれど、それ抜きにすると年間ベストアルバムかもしれない。間違いなく上半期1位ではある。最初に聴いた時、あまりの壮大さにしばらく放心してしまったくらい、どこをどう言っていいのかわからないくらいの印象が残った。何食べて生きていたらこんな壮大なアルバムが作れるんだ。
Daði Freyr『Welcome』
アイルランド出身のミュージシャン。嫌に中毒性のある電子音混じりのサウンドと映像作品が好きでずっと追っていたのだけど、今回ヨーロッパでレコードが出たということで輸入盤を取り寄せた。この音楽の中毒性を言葉で説明するのがきわめて難しいのだけど、刺さる人には刺さると思うからとりあえずライブ映像を見てほしい。トラックがカッコいいのに全く頭に入ってこないので…
LAUSBUB『M.I.D. The First Annual Report of LAUSBUB』
北海道のテクノポップの新星LAUSBUBのファーストEP。ご本人たちがこれまでのLAUSBUBの活動をまとめた報告書的な一枚と言っていた通り、テクノポップな曲調だけに留まらず加えアンビエントなものにも及んでいて最高にカッコよかった。「Telephone」でバズったのはまぐれじゃなかったんだよなって思わせてくれる一枚。ライブも最高でした。まだ20歳ということで末恐ろしいです。
家主『石のような自由』
2年振り待望の新譜。(まだ電子アルバムのみのリリースでCD版は2024年に出るらしい。)前作、前々作があまりに名盤すぎて新譜のハードルが上がっていく一方だけど、今回もバチバチな名盤を出してくれて歓喜している。最近の音楽ナタリーでインタビュアーに「草野球のつもりが神宮球場でやることになってる」と例えられていたけれど、そんな脱力感のある雰囲気とゴリゴリのロックサウンドのアンバランスさが魅力だと思っている。今年はスピッツの草野マサムネ氏がラジオで家主の音楽の良さを絶賛しファンクラブ会報でも紹介してくれるというサプライズもあって、いつ売れてもおかしくないと思っているんだけど誰にも見つかってほしくない気持ちもある。
おわりに
今年は生活上必要なものを買うというよりは、自分のための散財が多かったので良かったなと思いました。これまでぜいたく品は優先順位が低かったので。常々「安物買いの銭失い」を辞めたいと思っているので、自分のための出費をその場しのぎの安物で間に合わせるのではなく、ちゃんといいものや、自分の欲しいものを選んで買えるようになりたいな〜と思う。結果的にその方が大切にして長持ちしそうだし、気分的にも生活が豊かになる気がする。2024年もいい買い物ができるように頑張ります。
(↓昨年の記事です。昨年のほうが散財額は多そう。)