高等遊民前夜

日記と考え事・雑感のログ

極私的ベストバイ2022

 終わりゆく一年を振り返るついでに、買ってよかったものを振り返る季節がやってきました。今年の前半は多忙すぎて疲れ果て、あまり消費活動ができなかったんですが、下半期からは残業代で得たお金を手にそれなりの散財をできました。いろいろ買ったものはあるんですが、人にもおすすめできるものを挙げてみたいと思います。マイナーに偏り過ぎないようにがんばります。
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日用品編

KINTO ウォーターボトル 300ml

 シンプルなウォーターボトル。ちょっと出かける時の水筒にちょうどいいし、製品自体が軽いからあまり荷物にならない。おしゃれで机に置いておくだけで様になって気分が上がる。仕事できる人になった気分になる。気分は大事。リーズナブルだからプレゼントに選ぶことも多かったです。来年もお世話になります。

  

 

Aeta ショルダーバッグ(S)PG01

 今年は左のトートバッグを購入。佇まいがエグい。「そのバックどこの?」とめちゃ聞かれる。一枚の革をつなげて作ったシンプルなバッグだけど、どんな服に合わせても決まるから助かっている。困ったらとりあえずこれを使いがち。SサイズはA4がちょうど入るくらいの大きさで便利。肩掛けも太めで痛くなりにくい。ちょっとお高いのと常に品薄で手に入らないのが難点。プレゼントにもらったら100%惚れる。異論は認める。

SHOULDER:Sstore.aeta.website

 

長谷川刃物 ダンちゃん

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 もうこれがないと暮らせない。現代人は全員買ったほうがいい。刃の部分は金属に細かい溝がついた仕様で、お子さんが素手で触っても安全、でも段ボールは簡単に開けられる優れもの。段ボールの開封だけじゃなく、服の値札の紐を切ったり、封筒を開封したり、テープがベタベタに貼られた梱包を開けたりするのにとても便利。大きな段ボールを切って分解するときも、普通のカッターより安全なダンちゃんを使っている。刃の材質や長さでいろんな商品があるけど個人的にはスタンダートな黄色い柄のやつが好き。キャップ付きの商品もあります。自宅に三本あってあちこちに常備している。

   

 

TAION ミリタリーベスト

 

 極暖。上半身だけ無敵になる。ユニ○ロや無○良品のインナーダウンも使ったことあるけど、数千円高いだけでこうもあったかいと思わなかった。憎き骨ストでも着やすいVネック。サイドに開閉できるファスナーがついていて、これを開けることで立ったり座ったりしても動きやすく、運転するときもゴワゴワしない。カラバリも豊富で袖の有無なども選べる。キッズ用もある。高級ダウンをつかっているが、インナーダウン専門ショップだけあって安い。

  

 

Johnstons of Elgin カシミアマフラー

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 安かろう悪かろうの逆の典型というか、高価な名品はやっぱりいいなと思ったオブ・ザ・イヤー。首周り全然チクチクしないし薄手なのに暖かい。すぐに毛玉ができたり解れたりするかと思ってたけどそうでもなかった。ちゃんと手入れすれば10年くらい余裕で使えるらしいし、物持ちのいい大人になって大事にしたい。SDGs。年末年始は各種ショップでセールを行っている模様(安すぎる偽物には注意!)。ギフトでもらったら絶対うれしい。絶対惚れる。

 

 

無印良品 ラタンコースター

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 何故だか自分でも分からんがこればかり使ってしまう。無印良品のラタン製。コースターなんて頂き物も含めて腐るほど持っているんですが、日常の中でなんとなくこれに手を伸ばしてしまう。暮らしの中で真に使い勝手の良いものが残った感じ。不思議。コップを持ち上げた時にコースターが引っ付かないからストレスがないし、結露しても乾きやすい。

 

家具編

マルゲリータ BLC収納ボックス

 「壁一面の本棚」で有名なマルゲリータのBLCというシリーズ。レコード棚として奮発して購入。多種多様な棚が売られていて、用途に応じて購入することができ、かつ長年規格が変わっていない。賃貸暮らしで今後どのように住まいが変遷していくか分からないから、生活スタイルに合わせて使い方を変えられる便利なラックで助かっている。安価で丈夫な素材で、今のところ重さでたわみもなくいい感じです。この棚以外にもいろんな商品があってどれも素敵です。

 

家電編

BODUM BISTRO 電動式コーヒーグラインダー

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 毎朝挽きたてのコーヒーが飲みたくなって購入。コスパ最強。お手入れが簡単で、豆の粗さを調節できて、高評価でコスパがよいものを探して買った。挽いた豆が入る容器がガラス製で地味にうれしかった(プラ製だと静電気起きやすいし傷つきやすいので)。騒音は、まあ…こんなもんだろ、という感じ。たまにセールでとんでもなく安くなる。

   

 

Keychron K6カニカルキーボード

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 単純にカッコよくて気分が上がる。薄型キーボードよりも打鍵感のあるタイプが好きで、どうせならメカニカルキーボードが好きなため、HHKBと悩んだ末にデザイン重視でキークロンを購入した。65%に圧縮しているからキー配列に慣れが必要なものの、慣れてしまうととても打ちやすくてよい。キーボードの軸の種類もあるから自分好みのものを探せる。実店舗に置いてあることが少ないから、試し打ちができないのは難点。

 

Amazon Echo Show 5 / Echo Dot 第3世代

 スーパーセール時に格安で購入した。これら単体でも十分便利なんだけど、Alexa対応の家電と紐づけて、声掛けだけで照明やエアコンの調節をしたり、帰宅前にスマホからエアコンを操作できたりして最高に便利。無いなら無いで問題ないスマート家電だけど、あると快適に生活できるなと改めて実感した。あと、音楽好きだからいつもで音楽が聴けてうれしい。

   

 

美容編

innisfree レチノールシカ リペアセラム

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 説明不要の名品。肌の新陳代謝を促進するレチノールは赤みやヒリつきなどの副反応が出やすいけれど、これは敏感肌や初心者におすすめのものとして有名。評判に違わずとてもよかったです。ぜんぜんヒリヒリしない。普段使いしていて無敵の肌になれたわけじゃないけど、丈夫になったし肌が揺らいでもすぐ治るようになった。匂いがほぼないから他メーカーとの併用にも便利。10mlのミニサイズも売っていて、とりあえず試してみたい人やトラベル用に欲しい人にもオススメ。私は人へのプレゼントによく買った一年でした。

 

 

MARKS&WEB モイスチャーライジング アフターサンジェル

 夏季限定の最強ひんやりジェル。酷暑の夏を耐え忍ぶために欠かせない。ないと死ぬ。自宅用と持ち運び用と仕事用で常備していたくらい。例年はSHIROのジェルを愛用しているけれど、今年は販売の時期を見逃して買えず、MARKS&WEBのお世話になった。こちらは持ち運びに便利なパッケージなので、冷感ジェルの選択肢としていいと思う。個人的にはSHIROのほうがベタつきのないテクスチャーに感じたけど、この辺は好みがありそう。

 

ETVOS モイスチャライジングセラム/バランシングVCクリアスポッツf:id:hazukikose:20221228143441j:image

 人からプレゼントで貰い、あまりに良すぎて自分でも購入したもの。セラム(左)はセラミド系の乳液タイプの美容液で、クリアスポッツ(右)は皮脂抑制・ニキビ防止効果のあるアゼライン酸配合のジェル状美容液。
 自分は乾燥しすぎてテカテカになるインナードライ肌で、午後以降は皮脂で顔が油田になりがちだけれど、これらを塗ると乾燥しないのに皮脂崩れとも無縁になってすごい。職場のエアコンの温風がもう怖くない。やっぱ人が他人におすすめできるほどのスキンケア用品は優秀だなって思った。同居人と朝晩一緒に使っているけど男性にもおすすめかもしれない。ただ、コスパがいいのかどうかは人による気がする。ラベンダーの香りらしいが、これをラベンダーと言っていいのかは微妙。

 

 

Neutrogena ディープモイスチャー ハンドクリーム 乾燥肌用

 非ファッション用として職場等に常備。ハンドクリームなんて何でも同じだと思っているけれどやっぱりちょっと課金すると格段にいいなと認めざるを得ず、数年ぶりにニュートロジーナへ正しく戻ってきた。微香性らしいけど、ベビーパウダーのような粉っぽいやさしい香りがする。この匂いを嗅ぐと誰でもやさしくなれるんじゃないかって思う。アロマ枠で使っている説もある。

食べもの編

ブルボン フォンティア/ショコロラ

 アホほど食べた。私の2022年を語る上では欠かすことができないほどの存在感を放っている。しっとりソフトな「フォンティア」と焼きチョコと一体化している「ショコロラ」。個人的にはショコロラが好きだけどフォンティアも忘れ難いおいしさがある。腹持ちもよくて職場常備品に殿堂入りした。なかなか売っていないことが難点。いつも買い溜めしている。安定供給を求む。

 

 

森永製菓 ブラックムーン

 こういうシンプルなココアクッキーを求めていた。お馴染み「ムーンライト」のココアver.です。スーパーで売っているクッキーで、無駄なもの入っていないココアのみの商品って結構少ない(おおかたプレーン&ココアのアソートだったり、チョコチップ入っていたり)。ムーンライトに比べてビターでバター感が少ないから、ハマる人はめちゃくちゃハマるはず。現状、期間限定かどうかが分からないから見つけた時にまとめ買いしている。

 

セブンイレブン 金のピザ

 全国のコンビニで500円で専門店クオリティのピザがいつでも買えるのは革命すぎる。冷凍ピザとしては高いけれど、一人で食べられるサイズだし何よりお店で食べる石窯ピザ並に美味しいし、その意味では500円はむしろ安い。好きすぎて冷凍庫に常備している。レンジに入る小ぶりサイズで、自炊面倒な時や贅沢したい時に助かる。レンチン解凍→グリルで加熱がおいしい。

 

ローソン UchiCafe 白桃果肉入り杏仁アイス

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 どこのメーカーとも被らない(現状)唯一無二のアイス。去年はピスタチオアイスなど新商品で賑わったアイス市場だったが、今年はなんだか地味だったところようやく訪れた救世主。12月に初めて食べたもののもうすでに今年屈指の美味しいアイスだった。杏仁風味のアイスに白桃果肉が入っていて、底にはジャスミンソースがある。完全にお高い中華料理屋で出てくるやつ。今のところ他店舗に互換商品がないから、これのためにローソン行ってしまう。

 

小説・エッセイなど

年森瑛『N/A』

 上半期の芥川賞候補となった年森瑛さんのデビュー作。LGBTという便利な単語では括れない、捨象されてしまうような主題を扱うのと同時に、安易に「LGBTを扱った作品」と定義づけられることへの違和感を告発するような作品。少しでもその要素があれば「LGBT」と型にはめられてしまう世の中においてとても現在性を持つ作品なんだけど、文体が堅苦しくなく平易で軽やかに書かれていてとても面白く読んだ。装丁もかっこいい。

 

高瀬隼子『おいしいごはんが食べられますように』

 上半期の芥川賞受賞作。自炊が面倒でコンビニ飯でいいと考えている人と、ご飯を作るのが好きで誰かに食べてもらいたい人と、手作りのものに感想を言うのに疲れた人と、食事を通して人となりを書いていて面白い。装丁はポップだが、文章は緻密。なかなか捻くれた登場人物たちが出てきて、なかなかとがったことを言うものだから、そこまで言ってよいのかというハラハラ感と、よくぞ言語化してくれたというすっきり感があって、世の中そんなきれいごとばかりじゃないよね、と思いながら読んだ。『N/A』より万人受けはしないだろうけど、相手を選んでお勧めしたい一冊。

 

永井玲衣『水中の哲学者たち』

 身近な哲学についてのエッセイ。著者はあらゆる場所で哲学対話をおこなっている研究者。このエッセイはその哲学対話を通して考えたあれこれや、著者が哲学を学ぶに至ったルーツ的な話などがユーモアを交えながら書かれていて、とても面白い一冊だった。ところどころに著者自身が苦しんできた生きづらさや痛みについて言及されており、それらを超えるときにも哲学がいい役目をはたしてきたことがとても印象的だった。哲学者の有名な言葉を引用するのはもちろん、詩や、短歌や、お笑い芸人のネタまで引用していて知識の棚の幅広さに驚かされる。

 

國分功一郎『暇と退屈の倫理学

 平成27年刊行の同著にあとがきを加え、今年文庫化された一冊。「暇」とは「退屈」とは何なのだろうという答えのない問いを、哲学者の考えを引用しながら思索していく。例えば、なぜ暇人は敬遠されつつ尊敬されるのか、人は負荷があるとなぜ快適になるのか等々を平易な言葉で考えていく。もともとベストセラーであった本書が文庫化しただけあって、普段哲学に興味関心がない人でも読めるように書かれている。分厚くてビビるけれど興味深く読めた。

 

千葉雅也『現代思想入門』

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 学生時代にこれが欲しかった。めちゃ分かりやすい。研究者の著作を読んだことある人は分かるかもしれないが、学術書は入門書でも「ご存知の通り〜」的に、当然読者にある程度の知識がある前提で書かれていることも多く、そもそも難しい(それ自体が悪いわけではない)。千葉さんのこの本はとにかく親切で、何度と繰り返し要所をおさらいしながら平易にまとめ、配慮が行き届いている。専門的に学ぶには不十分だかもしれないが、初学者や哲学に興味ある人とって、入り口として最適解だと思う。これから深く学びたい人にとっても、知識の大枠を知ることができる良書だと思う。

 

オルナ・ドーナト『母親になって後悔してる』 

 イスラエル社会学者による著作。単行本の在庫復活が待てずに電子で買ってしまった唯一の本。「母になったことへの後悔」がタブー視されている現状を疑問視し、20代~70代の女性23人にアンケートを実施して、貧困や夫婦関係とは別の問題として「母であること自体の困難」にまつわる多様な語りを収めている。ショッキングなタイトル、女性がこれまで言えなかったタブーが明文化されたことや、家族に本が見つかることを忌避して電子書籍が非常に売れたことでも話題になった。個人的には、女性たちは子供自体を愛しているが、母親になったことには後悔しているという、後悔と愛情は両立するさまが示されていたのが印象的だった。研究をまとめた本だから決して読みやすくはないけれど、衝撃的な読書体験だったと思う。

 

漫画

市川春子宝石の国』12巻

 連載中の作品を入れるのもどうかと思ったけれど、12巻の衝撃はまあ凄まじかった。ある意味一つの区切りがついたとも言える内容だから、未読の方はどうにかして12巻まで読んでほしいほんとに。途中までなら無料で読めますので…。おすすめするにあたり何言ってもネタバレになるのが辛いところ。

 

入江亜季『旅』

 最近だと『北北西に曇と往け』でお馴染みの入江亜季さんの短編集。ご本人が「漫画は憧れを描くもの」と語っている通り、作者の憧れの対象や夢が主なテーマになっているように思う。過去の連載作品の番外編とかも収録されているんだけど、そちらが未読でも問題ない作りになっている。個人的に短編が上手な漫画家さんが好きなので、これもとても好みだった。

 

藤本タツキ『さよなら絵梨』

 『チェンソーマン』も『ルックバック』も面白かったけど、あえて人にお勧めするならこれかもしれない。この人の漫画は奇抜さやぶっ飛んだストーリーが注目されるけれど、コマ割りとか演出とか、漫画という媒体で表現することを模索しているところが好きで、この漫画はどこまでが現実でどこまでが虚構なのか、あえてわからなくなるように意図して作られていて面白く読みました。

 

panpanya『模型の町』

 だいたい1年に1冊ペースで新作を出しているpanpanyaさんの今年の新作。緻密に描きこまれた背景と鉛筆書きのようなラフな主人公の女の子(すべての作品に出てくる)が特徴的で、夢の中の出来事のようなシュールな作風。今作もとても面白かったです。悪友と早朝にめちゃくちゃ寄り道してから学校へ行く話がいちばん好きでした。

 

冬野梅子『まじめな会社員』

 読む地獄。わかるわかる!と地味に沁みて面白い。主人公の菊池あみ子は30歳の契約社員で、彼氏は5年いない。結婚せずにいる自分へ向けられる世間の目を内面化して苦しんだり、自分と正反対の明るい女の子に引け目を感じたり、構築してきた人間関係がコロナ禍で失われたり、踏んだり蹴ったりの中で苦しんだり悲しくなったりしながら生きている様子に自分を重ねたり、助けてもらったりしています。「このマンガがすごい!」にノミネートされるだけのことはある。御都合主義的なハッピーエンドで終わらないところに好感が持てる。

 

音楽など

サカナクション『アダプト』

 これ今年なのか、と思うくらい聴きまくった。サカナクションはアルバムのリリース間隔が長いから、新作が出るのを常に心待ちにしている感じはある。ライブも大変よかったです。

 

 

羊文学『our hope』

 前作『POWERS』に引き続き名盤。前作が良すぎて「あれ以上のものを作れんのか」と思ってたけどすごく良かった。羊文学は存在自体がおしゃれでポップだけど、やっていることはゴリゴリにシンプルで硬派なロックだから、消費されずに長く続けてほしいな、と願っている。

 

藤井風『LOVE ALL SERVE ALL』

 もう常識だから紹介するまでもないけど、除外するのも不自然なレベルの一枚。一曲目からあっさり「きらり」を収録しちゃう打算の無さからもう藤井風。こういうキラーチューンは勿体ぶって2〜3曲目あたりに入れるのが定石なのに。藤井風、光の速さで有名になってしまって寂しい。年明けのライブへ行くので楽しみ。

 

柴田聡子『ぼちぼち銀河』

 個人的には柴田聡子の中で一番好きなアルバムになったかもしれない。最初から最後まで一般して全ていい。特に2曲目の「雑感」の歌詞が大好きでヘビロテしました。軽自動車でのんびりドライブしている時に車のなかでエンドレスリピートしたいアルバム。

 

The 1975『Being Funny In A Foreign Language』

 今年このジャケットを何回見たのか分からないくらい話題になっていた気がする。The 1975はイギリスでは屈指の大御所バンドになりつつあるけど、音楽は変わらずどこまでもポップで心地よいプレイリストを聴いているようなのに、歌詞はずっと挑戦的で面白いなと思っている。アルバムの一曲目に必ず同じ曲「The 1975」を再録するのも変わらず。

 

Maneskin『SUPERMODEL』

 サマソニで話題になったことでお馴染みマネスキン。一度聞いたら忘れられない歌声とハードロックな音にハマってずっと聴いていた。来年1月にはフルアルバムが出るからとても楽しみにしている。ジェンダーにまつわる固定概念を打破するためのステートメントを明確にしていて、それが衣裳やふるまいにも出ていてかっこいい。

 

田中ヤコブ『IN NEUTRAL』

 家主というバンドが大好きなんですが、そのメンバーである田中ヤコブ氏の2年ぶりのソロアルバム。多幸感と哀愁が軽やかに歌われていて、今年のアルバムだけど60~70年代の音楽のような懐かしさもあって、本当にタイムレスな日本語ロックという感じ。軽率に流行ってほしい。

 

えんぷてい『QUIET FRIENDS』

 東京に拠点を移したけど名古屋発の3人組バンドだってずっと言い続けたい。名古屋はHIP-HOPとかラップが強く、バンドも頑張ってほしいからです。えんぷていはとにかくお洒落。トリップしたようなふわふわした音が心地よくて早朝とか深夜にずっと再生している。有名になってほしいような、なってほしくないような。バンド名の「えんぷてい」もかっこいいなって思う。emptyってことなんだろう。12月に名古屋でやっていたワンマンライブに行けなかったことだけが心残り。

 

終わりに

 けっこうニッチなものが好きなので、ここを読んでくれている皆さんに広くお勧めできるものをピックアップしようと思ってたんですが、難しいなと思い知りました。みんなにお勧めできるものは詰まるところ大衆的なものであり、そういったものはきっと多くの人が紹介している。でも、誰とも被らないマイナー商品を紹介していたら需要なんてないだろうし、ぐるぐる考えていたら次第にどうでもよくなってきて、だんだん自分が好きなものをひたすら挙げるだけになってしまった気がします。来年はもっと理性的にやりたい。

 あと、いろいろ紹介したいものがある中で、すでに品切れだったり廃盤になっていて紹介できない商品もたくさんあって少し残念だした。ちゃんと買い支えしないといい商品はなくなっちゃうんだなと実感しました。来年はもっと散財して豊かに暮らしたいです。おしまい。

 

(↓昨年の記事です。昨年のほうが散財額は多そう。)