高等遊民前夜

日記と考え事・雑感のログ

総括2022/抱負2023

 2022年も終わりますね。早いものです。辛いこと悲しいこと悔しいことがたくさんあったはずなのに、いま思い返すとそのほとんどを忘れてしまっていて驚きます。改めて自分の経験として思い返すように、この一年をざっとまとめてみました。去年のものは以下の通りです。

次はいよいよ俺のターン(復讐篇)

 ブログやTwitterをご覧いただいている方はご存知かと思うのですが、2020年は激務により病み、2021もそのまま休職せず頑張ってしまいました。そして2022年も引き続き過酷な業務での幕開けでした。私はリスク管理的な業務をしているので、時代の流れといいますか、面倒な業務が急増していたのです。それ自体は仕方ないので問題ありません。問題は、右肩上がりで増える業務に対し、人員が10年前の3分の1まで減っていることにあります。私の忙しさの主な原因はこれです。仕事の愚痴は過去にも何回か書いている通りです。

 これまでは激務に耐えようと頑張ってしまいましたが、流石になにか行動を起こさねば、と考えるようになりました。私が退職して仕事を投げ出すことは簡単ですが、いずれ私の後任が同じ目に遭う。それだけは避けたかったし、誰かが自分と同じように苦しまないよう行動できる人間でありたかっただけかもしれません。そういったエゴにも近いものに辛うじて突き動かされていた気がします。
 とはいっても、私は自分の属する課の中でも最弱…最年少者です。私の発言に大した力はありませんし、クソむかつきますが当時の課のボスが私を助ける気が毛頭ないことなどわかっていました。直属の係長はいい人なんですけどね。
 そこで私は年度末、月100時間強の残業を馬鹿正直に申告し、問答無用で産業医面談を受けるという策を講じました。もともと毎月100時間超えていたところ、職場での圧に耐えかね、36協定に引っかからないよう過少申告しておりましたので大した問題はありません(※大問題)。ともかく、過労死ラインを大幅に超える残業が出たら、事業者は産業医面談を経て改善策を講じなければいけません。

 幸いにも産業医は労働者側に立った親切な方で、とても親切に話を聞いてくれました。私は私で、自分がもうずっと抗鬱剤を飲んでいることや、職場の圧力により残業を過少申告していること、休日も仕事をしていることなど包み隠さず全てぶちまけました。あとは野となれ山となれ、清水の舞台から飛び降りる気持ちとはこのことです。憎むなら俺を憎め。これで私が噂されうしろ指差されても構わないという心境でした。

束の間の平穏

 私の問題とは無関係ですが、4月に人事異動で課のボスが変わりました。新ボスは仕事熱心な人で、私が産業医にぶち撒けた問題にすぐ対処しようとしてくれました。

 例えば、時代の流れによって膨大に増えた業務の中には、もともと他の部署で対応すべきものであり、その方が早いものが多くありました。それを各部署が臨機応変に対応せず、私の部署へ行くよう促していたのです。私の部署は公的な制度として申請されたら動かざるを得ず、法に則り手続きするため、本来の担当部署で対応するより煩雑なのです。新ボスは、それらを本来の担当部署で極力受けて、どうしても対応が難しいもののみ私のところへ移送するよう動いてくれました。新ボス惚れる。マネジメントできるボス惚れる。上の立場の人が動いてくれるだけで、本当に解決は早い。ありがたかったです。前のボスは全く動いてくれなかったのに、人が変わっただけでこうも違うか…と却って絶望しましたが。仕事が属人的になってしまっている。
 なお、どうやら前ボスは私が訴えていたサビ残サビ出勤地獄の現状を適切に人事にあげていなかったようです。新ボスは問題意識を持って人事に報告していたため「話が違う!」と人事が呆れたとかなんとか。

 そういった経緯で、次第に業務量は削減されていきました。下半期は残業はそれなりにあったものの、上半期に比べてかなり人間的な生活が可能になった。これまでいやでも仕事中心に回っていた生活に、ようやくプライベートが戻ってきた心地です。家事を同居人に頼りきりな、終電で帰ってばかりと日々とおさらばできると思うと心底安心しました。こういったことがあると、抱えている問題をどういった方法で、どのタイミングで、誰に伝えるかは大事だな、と痛感させられました。本気で伝えれば汲み取ってもらえるなんて道徳の教科書のようなことは無いのでしょう。本当はこういう策士になる教養を義務教育で教えて欲しかったです。

今後の身の振り方を考えるお年頃

 上半期の激務はしんどいものでしたが、大部分がサビ残扱いになったといえど私に毎月プラス10万の収入をもたらした。プラス10万の世界は、それはそれは豊かでした。贅を尽くす程ではなくとも、毎月ちょっといい食事を食べたり、着たい服を一着買えたりする暮らしです。何より金銭的に余裕があるという事実が私の精神を驚くほど丈夫なものにしました。消費活動も存分にしつつ、貯金も驚くほどできました。

 それでも下半期は仕事が落ち着いた反面、現実に戻されるように収入が減りました。更には円安や物価高騰の煽りを受け、今まで以上に倹約を意識して切りつける日々に舞い戻ったのです。魚が牛肉のような値段になるのをただ見ている日々です。どうやら健康的な働き方をしている私は稼げないようです。おまけに、単純に社畜稼働することに慣れてしまったせいか「こんなに暇でいいの?」「私ってもう必要ない?」と疑心暗鬼になってしまうこともありました。社畜の後遺症は想像よりも重症で辛かったです。

 そんなこんなで、この職場にいる限りは、激務をこなして十分の収入を得るか、健康的に働いて少ない収入で切り詰めるか、二つに一つだということが解りました。その中間のいい塩梅を狙っていきたいところだけど、それがなかなか難しい。この状況を思うと、今後の生き方を憂慮せずにはいられない。職場が根本的に間違っているよなって思いつつ、これは職場だけの問題というよりもこの国全体の問題であることも分かっています。薄々察していましたが、『年収443万円』という話題の新書を読んだ際、そこには個人でこの現状を打破することはもはや難しいということにも暗に示されていました。要するに社会全体で解決すべき問題だったってことです(過去形)。ですよね。ほんと救いのない地獄の書(褒めている)。

 そんな中で、個人でなにも解決できないとしても、ただ何も考えずに生きていると野垂れ死ぬ未来しか見えないから、ぼんやりなんとなく生きるんじゃなくて、ちゃんと打算的に賢く生きなきゃいけないと思いました。物価は上がって収入は増えない、でも地獄の中にも最適解はあるはずだ。悲しいことですが、そういう意識が年々強くなってきました。リスク管理の仕事ばかりしているからかもしれません。

 昨年からずっと継続して考えている転職については、やはり今年も転職活動をしていました。ただ、昨年の方が「一刻も早くここから逃げ出さねば」という意識があったせいか意欲的に活動していた気がする。今年はもう少し落ち着きを取り戻しています。友人や知り合いの転職失敗談や後悔を聞き、拙速すぎる転職はいけないという思いもあるし、何だかんだ不満をいって、冷静に考えれば今の職場の待遇は恵まれているのだ。上ばかりを見すぎてもいけない。綺麗事では生きていけない。
 同時に、自分のやりたいことと、この国の転職活動の現実との乖離を考えてしまう。第二新卒を過ぎてしまうと、未経験の仕事をするハードルが著しく高い。教育してらんないから即戦力じゃないと困るのだろう。私の職場は数年おきにジョブローテーションする終身雇用前提のジェネラリスト育成を主眼とするところがあり、一貫した専門性が身につかないから不利だなって思う。今の仕事で手堅く給与をもらいつつ、私生活を充実させてよい求人を待つというのも一策なんだろうか。

 ともあれ今年は、妥協せずに求人を探して応募しつつ、自分の知識や技術の棚卸しをしたり、単純に貯蓄をしていざとなったときに辞められるように準備をしていました。求人を選んでいるので落とされたり、応募しても締め切られてしまっていたり。妙齢の女だからとはっきり敬遠されることもありました。踏んだり蹴ったりですが、やらない後悔よりやる後悔ということで。来年も虎視眈々とこれを続けていきたいと思います。

オフはまあまあ上々どんどん散財

 仕事や今後のあれこれをぐるぐる考えつつも、プライベートは振り返ると昨年よりは充実していました。信じられないくらいツイートがバズったり、このブログがはてな公式に何度も紹介されてたくさんの人に見つけてもらえたり。Twitterのフォロイー・フォロワの皆様にも本当に毎日たくさん楽しませてもらって、お世辞じゃなくそのお陰で一年乗り越えられました。感謝です。慌ただしい日常にも、なんだかんだで砂金のようなよろこびがありました。

 なかでも、2021年に比べて音楽ライブがどんどん開催されて嬉しかったです。家主の初ライブに始まり、各種フェスにも行けたし、米津玄師やスピッツといったビッグネーム、ずとまよに羊文学に藤井風とたくさん行くことができました。暇があるから行けたというよりも、無理やりにでも予定を入れて、その予定を生きる希望として頑張れたという感じです。というより、予定を入れないと週末はただ寝て過ごすだけになるのです。今年は仕事の都合でどうしても行けないものも多かったけれど、来年はもっと行ってしっかり応援できるようにしたいです。

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 思い返すと、それ以外にも暇を見つけてちょくちょく外出していたようです。2021年よりはコロナ禍的な社会の圧も弱まり、感染者増の波間をみつけて上手にガス抜きできていたんだろうと思います。あまり派手な外出はできませんでしたが、それはそれでよかったんじゃないかと思います。

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 それと、今年は同居人と植物沼にどんどんハマり、次から次へと新しい多肉植物を迎え入れました。多肉植物はもともとの原産国の環境により生育に適した季節が異なり、適した育て方もいろいろあってとても気を使う存在でもあります。「生命力が豊かだからミスさえやれば元気に育つ」なんて嘘で、多湿や根腐れに気をつけつつ、水切れにも気をつけて、温度管理もして、冬になったら一部を屋内に取り込み育成ライトを当てて…異様に手がかかるけれど、多忙な日々にあっては見逃しがちな季節の移り変わりをこの植物たちのおかげで気づくことも多かったです。豊かな日常にしていただきました。

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 ずっと、落とすべきところに気持ちよくお金を落とせる大人になりたいなと思っていましたが、だんだんそれができるようになった気がして嬉しい2022年でした。コロナ禍で無くなったお気に入りのお店が結構あって、自分にとっての大事な場所はちゃんと応援しないと無くなるんだ、と身をもって体験したので、今後もちゃんと気持ちよく散財できるようにお仕事を頑張りたい。

 一方で、消費活動はできても、継続して時間をかけてやるようなことは思うようにできなかった。同人誌を出したいとか、副業まがいのことをやってみたいとか、どんどん資格を取りたいとか色々考えていたけれど、時間がかかること故に後回しにしがちであまり手を出せなかったのだ。忙しさにかまけて優先順位が下がるのです。今年は意識的に時間を作らないといけない。暇は作らないとダメなんだな。そのためには、まずその場の空気に流されて無駄な義務的サビ残をしないよう気をつけないといけません。頑張ります。

結婚がどうとかうるせえ

 同居人とはひきつづき仲良く暮らしておりました。今年前半の忙しい時には本当に家事とか任せっきりでお世話になりました。それでも怒ることなく、いつもおだやかで音楽とポケモンと植物とおいしいごはんが好きな、愛すべきミーハーです。大大感謝です。来年も私たちの生活は問題なく続いていくだろうと思います。
 ただ、何年も仲良く交際している私たちがただ交際していることを、世間はあまりよく思わないみたいです。最近どこへ行っても「これからどうするつもりなの?」みたいなことを言われてしまいます。私たちがこれからどうなろうと、(少なくとも身内以外には)誰にも影響がないはずなのに。放っといて欲しいのに。モラトリアムに映るのでしょうか。不思議だなと思っています。

 早い話、そろそろ結婚したほうがいいのだろう。そっちのが普通で自然なのだろう。ぶっちゃけ、うるせえなって思ってはいる。個人的には結婚はあくまで契約の一種であって通過儀礼であり、人生におけるちょっと有名な一里塚みたいなものだ。(一里塚という比喩がどこまで通じるかは怪しいですね。)他人の結婚観やそこへの祈り・理想を否定するつもりはないけど、少なくとも私は結婚=HAPPYと考えていないし、相手も私がそういう人だって知っている。それだけの話なのに、周囲の人はまるで自分事のように私たちの事を語りだすから、尻込みしてしまう。世間はいつでもお節介だ。
 とりあえず結婚して私たちの関係にひとくぎりつけて、この関係性を形にしてみんなに表明し、しばらくの間は放っておいてもらうのもいいかもしれない。同居人とそのあたりの話は出ていますし。どうせ少ししたら「子どもは?」って言われるんだろうけれど。そもそも結婚したら自動的に子どもが生まれるなんて、思考が自動化されすぎていないか? 私たちの感情はそんなAutomaticに出来ていないよ。宇多田ヒカルもびっくりだよ。

巻き込み事故で引用される宇多田ヒカル。)

 2023年は乗り気になったら結婚するかもしれない。結婚手当1億円とかないですかね? ないですね。

抱負2023

 数日前の自分のツイートですが、本当にこれに尽きます。2021年までは耐えることで乗り越えてばかりで、限界がきてしまいました。職場の激務についてもそうだし、細かいところでも自分が我慢することで波風立てず解決してきたのが私という人間なわけですが、いつまでもこの戦法では無理なので、2023年は泣き寝入りせずに行動に移せる人間になりたいです。一義的には、職場にとられた自分の時間(サビ残分)を取り返して生活を充実させたいです。やりたいことも我慢しすぎないよう可能な範囲で手を出していきたい。そういうことができるように、歳の割には貯金があるわけですし。当座の目標としては以下の通り。

  • とにかく我慢しない。泣き寝入りしない。
  • いつでも転職or退職できるくらいの準備をしておく
  • 同居人とどうにかなる
  • 仕事しすぎず、自分の時間を充実させる(継続目標)
  • 散財しつつ貯蓄する
  • 同人誌出したり資格取ったりする

 今年はそれなりに辛いこともたくさんあったんですが、私も入職以来、あらゆることにもまれつづけてだんだん図太さを獲得してきました。あからさまに貶められても、メタ視点でその状況を楽しんでネタにしてツイートできるくらいにはなっています。恐るべき適用能力です。冒頭で「辛いこと悲しいこと悔しいことがたくさんあったはずなのに、今思い出すとそのほとんどを忘れてしまっていて驚きます」とかしおらしいことを書いたけど、図太くなってるんだからそりゃそうだよなって思います。だんだん嫌なやつになっている気がしますが、私は悪口が上手な大人は好きなので、嫌なやつ上等くらいの気持ちで頑張ります。

 2023年もどうぞよろしくお願いいたします。