高等遊民前夜

日記と考え事・雑感のログ

くるりを聴きに行ってきた

 土曜日。命からがら何とか週末まで生き延びることができた。慣れない仕事は相変わらず苦しい。周囲から見ると私は落ち着いていて「大丈夫そうな人」と思われているようだが、実際私は全然大丈夫じゃないから驚くばかりだ。そもそも大丈夫そうな人って何? どういう定義で誰が決めている?
 私の脳内はずっとてんてこ舞いで、かろうじて社会人としての体裁を保っているだけに過ぎない。いつだって奇声を上げて逃げ出したい。過度の脳疲労のせいか、頭がきりきり痛んだ。

 今日はくるりのライブ。くるりのライブは2021年の森道以来だから楽しみにしていた。本当は今年の森道で聴けるはずだったけど、岸田氏がコロナで出演中止になったのだった(本人のMC曰く、山籠りしていたらしい)。
 今日の会場は鶴舞公園内にある名古屋市公会堂という場所で、私はこの建物がいっとう好きだ。とてもクラシカルな建物で、ホールも細部までこだわられている。キャパ最大1500人くらいの小さなホール。ここで好きなミュージシャンの演奏を聴けることが私にとっては贅沢だ。座席もPA卓前のど真ん中で、もうこんな良い状況でくるりを聴けることなんて二度とないんじゃないかって思ってしまう。


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 物販でTシャツを買った。夫はステッカー。レシートにバンドロゴが入っていて嬉しくなった。夫はくるりは有名曲しか知らなくて、私が誘って来てもらった。チケットが良かったからか「自分みたいなニワカが良席に座って申し訳ない」と真面目な音楽ファンよろしく懺悔をしていた。

 私はたぶんタイムレスで常に新しくて懐かしい音楽が好きで、スピッツアジカンと同様にくるりが好きだ。初めて聴く新曲なのに知っていたような気分になるし、昔の曲もつい最近知ったような心地がする。くるりも、新しい曲を聴いても、ああくるりだなって安心感があって心地いい。

 名古屋公演はキーボードが急遽不在になったことで、キーボード抜きでもできるようセトリを変えて行うことになっていた。確かにセトリ、めちゃくちゃだった。褒めている。思いもよらない曲が聴けちゃったりして棚ぼた気分だった。こんな番狂せな回に立ち会えてよかったんだろうか。ライブでよくやる曲に関しても、シンプルなバンド編成での演奏を聴くと違った趣きだ。
 それに、音のいいホールで聴くと改めて思うのは、やっぱり上手い。頭も楽器もコーラスも上手すきる。ベテランの風格。サポートメンバーが不在になってもセトリを変えてライブ決行できる時点で既にすごいのだけど、改めて当然に上手くてびっくり。くるりはミドルテンポのシンプルな曲が多いから、余計に上手さが際立って音楽好きとしての原点回帰のような感動の仕方をしてしまった夜だった。うまく言葉にできない。

(余談だけど、ドラムの石若さんが引くほどドラムが上手くて、ある曲では右手でタンバリン振りながら平然とドラムを叩いていて驚いた。超人だ。)

 

(最新EPでいちばん好きな曲。タイトルがすごく好き。)