高等遊民前夜

日記と考え事・雑感のログ

休日出勤

 日曜日。休日出勤。高給なんて要らない、完全週休2日ワークライフバランスが保たれることだけを、と就活をしていた私が最も忌むべきものが休日出勤だ。

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 昔「センター試験」と呼ばれていた全国的なあの試験に付随する裏方業務だ。性質的に、数分の遅れも許さないようなタイムスケジュールで動かなければいかない。ただの休日出勤と異なり気が重い一日だ。この日の仕事については、私自身も毎年「休日出勤」というタイトルで記録を残しているところを見ると、相当負荷がかかる一日であるらしい。

 例年は決まって業務は暇だった。朝から晩まで拘束されるし、ミスが許されない緊張感があるが、なにより待機時間がとにかく長いのだ。通常業務が激務であることに比べれば拍子抜けするくらい、やることが少ない。だから毎年、自分がセンター試験を受けた時の記憶を掘り起こしたりして物思いに耽ったりしていた。
 ところが今年は人員が少なく、やたらとやることが多かった。割り当てられた仕事が多く、なかなか座って息つく暇もないくらいバタバタ動き回っていた。建物の最上階から最下階まで階段で登って降りて、昼過ぎには脚はパンパンだった。ただ、去年のような凄惨な事件もなく、壊滅的なトラブルもなく終わった。受験生の皆さんが力を発揮できたことを祈る。壊滅したのは私の肩や脚だけだ。

 この業務をアウトソーシングしてほしい、とずっと思っている。私のような裏方業務だけでなく、試験監督や現場の運営などもそうしてほしい。金銭的余裕のある機関は既に警備会社などに委託して、有事の際も対応できるようにしている例もあるらしいが、ウチはそうもいかない。
 私の職場は数年おきに人事異動をする。今回の業務に駆り出されるのは多くとも一年に一回で、指名されない運のいい人は何年間もやることはない。だからノウハウが蓄積されることはない。それは試験監督をさせられる研究者の方々もそうだ。ド素人に付け焼き刃の研修をして、本業の傍ら休日出勤させるより、ちゃんとした会社に依頼した方がいいのにって思う。「情報漏洩したら…」みたいなことを言う人もいるけど、それこそ逆に付け焼き刃の私たちがどこまで信頼に値するんだ?とも思う。(私はちゃんと仕事しているつもりですけどね。)

 受験生たちが帰宅した後も仕事は続く。試験会場を現状復帰しないといけないのだ。敷地内をくまなく掃除し、落とし物を確認し、設備を動かして資材を倉庫に運び込むまで全てやらなければいけない。引越し業者とかを手配してくれ〜!と音を上げそうになるが、そんな余裕もないから私たちが運ぶ。今日駆り出されている人員は女性が多かったから大変だった。普段は男性同様に働いている私たちも、純粋な力仕事になると及ばないことを痛感せざるを得なかった。

 帰路に着いたころには全身バキバキで、明日からの通常業務が思いやられた。当初は帰宅して自炊するつもりだったけれど全て嫌になって、同居人を近くのサイゼリアに呼び出して食事にした。ラストオーダー間際だったからサラダがなくて地獄のようなハイカロリー飯を食べた。疲れた身体にハイカロリーは染みた。

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