高等遊民前夜

日記と考え事・雑感のログ

快晴

 土曜日。出勤日。いつもより少し早く起床し、それだけの分早く家を出た。玄関を開くと目の前には雲一つない見本みたいな快晴。しかも暖かい。こんな行楽日和に仕事に行くほかない悲しみをどうしたらよいのだろう。とはいえ、世間的には受験シーズン。今日が国立二次試験の人たちにとっては、天気が良いのは好ましいことと思う。主要都市に試験会場を用意してくれる私立とは違い、国立大学は基本的には「現地に来い」の方針だ。だからか遠方からスーツケースを引き下げて受験をしに来て、とんぼ返りをする学生も多いと思う。こんな時に雨や雪だと移動だけで大変だから天気がいいのに越したことはないのだろう。

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 仕事。あまりに暇すぎてびっくりしてしまった。忙殺されるのはしんどいけれど、苦痛を感じるレベルなのも狂おしい。どうせ私の一日を拘束するのだったらそれなりに役目を与えてくれよと思ってしまう。何のために駆り出されたのか。それだったら、有意義な休日を過ごして外を散歩したりしたかった。
 でも、業務の計画と立てたころはコロナの状況がどうなっているか分からなかっただろうし、多めに人員をあてがっただろうから、仕方ないようにも思う。当日に大勢が発熱したら急には人を集められないし。そうすると怒りの矛先は途端になくなって、私のこの苦痛なレベルの暇を抱えるもどかしさをどうすれば…となる。恨むべき対象のない感情ほど厄介なものはないかもしれない。

 歳の近い人たちと野外の立ち番をしているときに、みんな忙しすぎてしんどいという話をしていた。この仕事に就いている人たちというのは、キャリア志向でバリバリ働きたいというよりは、ほどほどに働いてワークライフバランスを重視したい人たちだ。そもそもお金を稼ぐことを目指して働いていないから、生活残業をしようとも思っていない人種だ。だから残業とは等しくいやいやするものであり、みな毎日深夜までいやいや残業をこなしている。そんな人たちと「私たちはいったいどこで間違ったんだろう」「日本ってもう終わっているんだろうね」とのどかな日差しの中で愚痴っていた。ホワイトと言われて久しいこの仕事も中身は真っ黒なのだから、世に言われているブラック企業はいったいどうなっているのだろうと恐ろしくなる。

 夕方ごろ、仕事からの拘束が解かれる。帰宅して、木曜日に仕込んだチャーシューを切って炙り、チャーシュー丼にした。余った煮汁で味付け煮卵を一緒に仕込んでおいたのだけれど、これが衝撃的に美味かった。自己ベストを更新してしまったかもしれない。

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 ニュースではウクライナ情勢のことを聞かない日がなくなってきた。実はロシアは停戦協定の準備をしているのにウクライナ側が反故にしたとか、ウクライナに亡霊の戦闘機が出たとか、いろんな情報が錯そうしている。人々の情報リテラシーが試されているね。非常時には根も葉もない情報がたくさん出回るし、巧妙なプロパガンダもあるんだろうから、せめてそれらに加担しないようにしないといけないと思う。非常時にはなにか気を聞いたことをSNSで発信しなきゃみたいな焦りみたいなものを感じる人も多いと思うけど、そういう意味においては、あえて何にも反応しないで平和を祈るのも一つの方法だろうと思ったりする。