高等遊民前夜

日記と考え事・雑感のログ

中日

 日曜日。いつもの私であれば、明日からの労働を憂鬱に感じて動けなくなっているところだ。しかし今日の私は違う。なぜなら明日は有給休暇を取得したから。今年度分は早めに消化してかないと勿体無い(と言っても、毎年消化しきれずに終わってしまう)。冷凍庫にはコーヒー豆とアイスが詰まっていて、我らの三連休を祝福してくれている。

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 休日といえども生活するだけ家事が増える。最近バスタオルの回転率が悪い。来る日も来る日も洗濯している。冬になってから乾くスピードが遅くなったのだ。夏だと小一時間で乾くくせに。冬は肌のうるおいを瞬時に奪っていくのに、何故かバスタオルはいつまだ経っても湿ったままだ。

 昼過ぎ。同居人と久屋大通駅へ向かう。テレビ塔付近の芝生広場でマルシェ的なイベントをやっていた。秋ごろに家主というバンドの演奏を聴くために名古屋城で開催されているイベントへ行った時、来ていたキッチンカーのポテト屋さんがそれはもう感動するレベルで美味しかったのだ。私はフライドポテトが大好物だ。ダイエットの大敵であるが好きなものは好きだ。それゆえにポテトには厳しい。

 「asombroso」というポテト専門店は、北海道初で、東京でも活動をしているらしい。ローズマリーと塩がかかった、カリカリの衣のポテトがとても美味しい。ソースも美味しい。チーズソースとオニオンマヨ?的なものにした。注文後の提供待ちの時間、キッチンカーのお兄さんお姉さんが気さくに話しかけてくれた。先の名古屋城のイベントで食べて感動した旨をつ 伝えると「え〜!めちゃプレッシャー!ウチのポテトの売りは、毎回味が変わることです!笑」と言われた。接客慣れしている。百戦錬磨の人たちだ。キッチンカー出店の苦労話を聞いていたらポテトが出てきた。毎回味が違う、と言っていたが変わらず最高に美味しかった。

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 帰宅して夕方。ネトフリでイーストウッド監督の『運び屋』を観た。主演もイーストウッド。90歳の老人が仕事にかまけ家族を蔑ろにした結果、事業に失敗し、いろいろあって麻薬の運び屋をすることになる話だ。老いの問題を考えさられそうなあらすじだが、主人公はお調子者でマイペースで痛快。軽快な展開でとても面白かった。イーストウッド、もうこんな歳なのと愕然とした。でも90歳になっても第一線で映画撮ってるってかっこいいな。

 ついでに『あのこは貴族』を観た。生まれも育ちも東京の女性、地方から出てきて苦労しながら働いてきた女性のゆるやかな連帯の話と読んだ。世の中は女同士を対立させるようにできている、という旨の話を女たちがする場面があって、それに対する静かなアンチテーゼのような話だった。世の中の構造は変わらないし、分断もなくならないけど、小さな救いを見出すような終わり方だった。

 休みの中で、映画を観ようと思えるのは余裕のある証拠だと思う。私の生活の中には、気合を入れないとそういう時間を確保できない。何も考えずぼんやり映画を観たりしたいなと思った。