高等遊民前夜

日記と考え事・雑感のログ

北の国へ

 月曜日。仕事を無理やり片づけて北海道へ向かう。

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 中部国際空港は何回も来たことがあるけれど、私は観光地のド定番である北海道へ行ったことがない。北海道以前に飛行機に乗ったことがない。飛行機という得体のしれない乗り物が恐ろしいからだ。自動車よりもはるかに死亡事故率が低いと理屈ではわかっていても、はるか上空で何かあったときに、機内でただ死を待つしかないあのイメージが恐ろしい。子供時代に、80年代の墜落事件のドキュメンタリーを観すぎたかもしれない。自動車なら、ワンチャン自分のハンドルさばきでどうにかできるのでは?と思ってしまう。(実際そんなことはないこともわかっている。)

 そんなこんなで人生のあらゆる局面で飛行機を避けてきた私は、北海道も沖縄も海外も行ったことが無かった。今回空路を選んだのは、夫に「青函トンネルも老朽化しているし、いつ崩落してもおかしくないよ」と不謹慎に押し切られる形で飛行機に乗ることになった。そして私は墜落することもなく、呆気なくも無事に北海道に着いた。
 それにしても飛行機が飛んでよかった。当初の予定では明日火曜日の便にする予定だった。台風が近づいており、明日の便はすべて運休になっていた。

 新千歳空港からシャトルバスでレンタカー店へ。後ろに並んでいたご夫婦が私たちのことを見て「学生さんかな」「でも指輪してるよ?」などと言っているのが聞こえた。私たちが地に足がついていないふわふわした大人だということなんだろう。

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 北海道はまっすぐ一本道の直線が多くて、運転好きの身としては爽快感があってたのしい。普段街で暮らしていると絶対に味わえない感覚で、これが日常である人々がいることがどこか不思議だ。

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 そんなこんなで星野リゾートトマムに到着。奇跡的な晴れ間に撮った一枚。北海道には1週間滞在する予定だったけれど、残念ながら予報はずっと曇りか雨だ。まあ山あいにある場所だから、天気も変わりやすいんだろう。
 初日は写真のでかいタワーホテルではなく、夫の会社の保養所になっている境内のホテルに泊まることになっていた。星野リゾートに保養所があるなんてさすがデカい会社だなと思ったら「バブル期の遺産だよ」と言われた。バブル期の遺産のおかげで、リゾート地の一角に二人で4000円で宿泊できている。

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 部屋はメゾネットみたいになっていて天井が高く、何故か3階まであり、エアコンがなかった。たしかにバブル期の狂気としか思えない設計だと思う。一部屋を3階までぶち抜くならもっと客室増やせただろうに。北海道にエアコンがないって本当なんだと感動したが、思ったより暑かったから寝られるだろうかと不安になった。

 夜は水の教会を見学した。安藤忠雄建築の一つ。外は少し霧がかっていて綺麗だった。

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