高等遊民前夜

日記と考え事・雑感のログ

横浜へスピッツを聴きに行ってきた

 土曜日。今日は同居人とはるばる横浜までスピッツのライブへ行く。4年ぶりのファンクラブ公演。なぜ横浜までというと、コロナ禍により公演が神奈川と兵庫でしか行われないのだ。愛知県民としてはこの2都市の遠さは絶妙で悩ましいのだけど、頑張ればぎりぎり日帰りができる。兵庫公演は平日しかないから諦めた。ということで横浜だ。

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 土曜日なのに珍しく、ちゃんと朝早く起きて準備する。朝から掃除に洗濯に皿洗いと、家事をまとめて消化する。日帰りの弾丸参戦のあと、人間の肉体は思いのほか疲れることは経験上知っていた。明日には自分が使い物にならないことを想定して、できることを可能な限りやった。

 同居人には、付き合い始めてから私がスピッツを布教した。彼の最推しはthe pillowsや9mmで、とりわけ正統派なバンド音楽を知名度に問わず聴いている人だった。そういう人にスピッツは刺さるのだと、これまた経験上知っていたのだ。
 私が他人にスピッツを布教するときに渡すCDは決まっている。ベストアルバムは渡さない。ベストだとどうしてもバラード偏重になっていまう。スピッツの本当の良さはシングル曲からは想像できないバンドサウンドの意外性だと思っているから、私はいつも『ハヤブサ』『三日月ロック』『さざなみCD』あたりをセットで布教する。


(極私的入口に向いている3枚。異論は認める。)

ハヤブサ』からはプロデューサーに亀田誠二を迎えてCD音源の厚みが増している。なかでも『さざなみCD』は格別にポップだから、バンド音楽になじみのない人にも親しみやすく、大衆的という意味では実質のベストだと思っている。同居人はこれでまんまと沼に落ちてくれた。愛すべきミーハーなのだ。同居人とは、本当は前回のツアーに一緒に行く予定だったけれど、急な仕事でいけなくなり私ひとりで参加した。その悔しさで同居人はFC会員になり、今日にいたる。

 名古屋駅で昼食のパンを買って、新幹線で向かう。往復2万円超え。二人で4万超えだ。チケットも今回は割高で2枚で2万超え。コロナ禍で事情もあるにしても、さながら小旅行だ。今年はどこかに旅行にいくこともなくこれで終わりそうだ、と悟った。新幹線で同居人は爆睡。私はiPadにダウンロードしておいたアニメ「チェンソーマン」を観たり、仕事関係の作業をしたりしていた。乗車途中で観た富士山は雪を冠していなかった。

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 17時すぎに会場のぴあアリーナMMに着く。MMってなんの略だよって思いながら、街の中に突然おおきなアリーナが姿を現すあたり、都会の会場だなよなって納得する。名古屋でも都心を避けて建っているから余計に。物販でちょっとお土産を買った。スピッツ犬と鼻セレブのコラボミニティッシュがあって買ってしまった。nepiaさんにはレギュラー販売してほしいな。

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 入場。FC会員証にはICチップが入っていて、入場時に端末にかざすとチケットが発券される。この時にはじめて座席が分かる仕組みだ。スタンド2階の最前近くだった。スタンドね〜はいはい、と思いながら入場すると、(あんまり言うとネタバレになるから言えないが)想定外なステージになっており、スタンドからとても近く感じて同居人と唖然とした。さすがFC公演、気合が違う。同居人はそもそもスピッツ自体が初めてだから、最初っから運を使っていいのだろうか、と騒いでいた。

 FC公演はまだ兵庫の公演が終わってないから、言えないことばかりだけれど、ライブはとてもよくて感無量だった。個人的に、死ぬまでに生演奏を聴いてみたい曲のひとつも聴けてしまった。同居人は、スピッツは音源よりもはるかに上手いんだねとしきりに感動していた。ほんとうにそう、スピッツはいつでも現在進行形で今がピークで、公演に足を運ぶたびに安定感が増している。学生時代から通っているライブに今も通えて、学生時代も今もそのように思えるのはハッピーだなと思ったりした。横浜は金銭的には遠く、すこし無理したけれど、来てよかった。推しのライブに通えるくらいには稼いでいきたいなと思う。

 最終の新幹線、最終のバスに乗り継いで自宅に着いたのは翌1時すぎだった。疲れ果ててすぐに眠った。家事をおおかた片付けておいてよかった。