高等遊民前夜

日記と考え事・雑感のログ

欲しくても手に入らないもの

 土曜日。11時くらいに起きた。頭が痛い。今週の労働による疲れが抜けていないという実感がある。同居人は仕事で不在。いつも同居人が起きる時に一緒に起きられるのに、今日はダメだったみたいだ。相当深く眠っていたに違いない。

 ベランダの掃除をする。最近植物が増え、小石や砂が散らかっていたからだ。箒で掃きまくって水で流す。その間植物たち端っこに追いやったついでに、全員に虫除けのスプレーを吹っかけておいた。

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 プリカティリス、最近外側の葉一枚が根元から腐っているのを見て、先日根を見てみたら全体が根腐れしていた。以前購入したあと初めて植え替えをした際、根が大幅に腐っているのを見て間引いたばかりだったけど、思った以上に腐敗は深刻だったようだ。思い切って根を可能なかぎり全て落とし、天日干しした後に発根促進剤(メネデール)につけて植え替えをした。かなりの荒療治。ネットでプリカティリスの枝差しについては調べたけれど、意外にも参考になる記事も少なくて頭を抱えてしまった。とりあえず基本のこの方法で発根するのかわからないが、やれることはやったからあとは天命を待つといった具合。


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(左:発根促進剤に漬けている様子。右:枝挿し後。あとは祈るのみ)

 月曜日に大阪のイケてるうつわストアfutouさんのオンラインショップで購入したものが届いた。はるばるドイツから届いたayakaさんの作品。今回も多分瞬殺だったんじゃないかというくらい厳しい戦いだった。絶対欲しいと決めていた蓋つきの容れ物は買えたけど、同じく狙っていたマグカップは会計中に買い物カゴの中から消えてしまった。まあそれも想定のうちだったから驚かない。

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 とにかくハチャメチャに可愛くてとりあえず何かを入れたくて、朝摘んだユーカリの葉を入れてみた。摘みたての葉はとてもいい匂いがして、蓋を開けるたびにユーカリの涼しげな香りが漂ってよい。そしてなによりうつわがいい。こんなに素敵なものが我が家にあっていいんですかね、と半ば心配になってしまう。うつわでありながら最早アートピースに近い。決して安い買い物じゃなかったんだけど、多分買わなかったら何かにつけてネチネチ後悔することになるし、そんな自分も嫌だから、ええいと買ったのだった。そんな私の思い切りを褒めてあげたい。
 これは私の個人的な思いに近いけれど、欲しくても手に入らないものがあるのは、大量生産・大量消費においては一つの希望だと思っている。普段の生活では、お金さえ払えば大抵のものが手に入る世界を生きていて、現地に行かなくてもネット経由でなんでも手に入ってしまうじゃないですか。それは非常に便利で、私もその恩恵をたくさん受けているけれど、それだけじゃ味気ないというか、買い物の醍醐味みたいな経験がないなと感じる。遠方まで訪ねてそこでしか買えないものを買ったりとか、人気の商品をたくさん苦労して購入したりとか。だからayakaさんの作品は人気に対して供給されている数が圧倒的に少なくて、多くの人にとっては安いものではなくて、簡単には手に入らないわけですが、簡単には手に入らないものがあるっていいなって思ったわけです。わざわざ仕事を抜け出して夜21時、販売と同時に購入しようと頑張ったなんて久しぶりで、欲しいものをすべて手に入れることもできなくて、でもそれがなんだか嬉しいって感じ。お金があればなんでも手に入るほど味気ないことはないと思う。

 その後は寝落ちしていて記憶がない。夜までずっと眠っていた。