土曜日。同居人が夜勤から帰宅した音で目が覚める。7時ごろ。今日は耳鼻科に行こうと思っていたからちょうどいい時間に目覚められてよかった。同居人にはセブンのシュークリームを与えて出かける支度。病院って週末はやっていても土曜午前くらいのところが大半だから、フリーの土曜午前は貴重だ。平日フルタイムで仕事している人は病院に行くだけでも大変だよなと思ってしまう。私も土曜午前は大体どこかの病院にかかっているのがデフォルトだ。9時半からやっている近所の耳鼻科に花粉症外来があるから、そこへ行ってみることにした。9時台とは思えないほどの暑さだけれども平和な生活のために意を決して外へ出た。
耳鼻科は初めて行くところだったけど、朝イチで行ったから空いていてよかった。問診票に花粉症についての恨みつらみを書き殴る。私は長年、自分の花粉症を風邪だと思っていた。私は夏から秋にかけて花粉症の症状が出るタイプだけれど、私の子供の頃の花粉症のイメージといえば春になるものというイメージだったのだ。おまけに私の症状は、くしゃみと目の痒みといった典型的なものではなく、鼻水と喉の痛み、微熱とからだのだるさだった。夏から秋にかけてその症状が出るものだったから、両親は当然風邪だと思っていたし、自分自身もそうだった。私は毎年同じ時期に「風邪」にかかる体の弱い人として友達には認知されていた。花粉症だと分かったのは大学生になってくらいだったと思う。
先生には、典型的なアレルギーの鼻ですね、どうしてここまで放置していたんですか、と言われる。アレルギー症状が出ると、鼻の中の粘膜が通常は濃いピンク色のところ、白みがかった薄いピンクになって腫れるらしい。それにしても「どうしてここまで放置していたんですか」なんて、命に関わる病が見つかった時だけのセリフだと思っていたから純粋に驚いてしまった。とりあえず採血をして原因を調べることになった。これで少しは軽減されれば、と思う。会計は5千円を超えた。初診に加え検査もしたから高い。
今週はとくに症状がひどかった。どれくらい酷いかというと、汚い話ですが、何もしないとマスクの中で四六時中鼻水が流れているくらい。鼻にティッシュで作った鼻栓を詰めて耐えるわけですが、それでも30分弱くらいで鼻栓も決壊してしまい、トイレに駆け込んで鼻栓を交換して。延々その繰り返し。もちろん一日中くしゃみは止まらない。鼻の粘膜が燃え上がるように熱い感覚がある。鼻が完全に死んでいて鼻呼吸が出来ないから、いやでも口呼吸になる。ただ花粉で喉もやられているから、咳も止まらない。鼻の啜りすぎで耳もおかしくなるし、目はずっと痒いを通り越して痛い。五感のほとんど全てに異常を来している。当然夜も寝れたものじゃない。もうこの状態で暮らすのはごめんだった。花粉症と人生共にして死にたくなんかない。この苦しみから解放されるならば私はどんな治療でもできるかもしれない。
病院の後、近所のパン屋でお昼を買って帰宅。日差しが強く陰が色濃い。街路樹の根元に毎年なぜか咲く鼻がかわいい帰り道。でもこの花も花粉を飛ばしたりするのかなと思うとおそろしい。
昼。明太バターパンとライ麦パンみたいなのにカマンベールチーズを挟んだパン。おいしかった。パン屋は人気店らしく、外で20分くらい待ってやっと入店できた。そして20分待つだけあって美味しいのだった。(それだけ待ったから余計そう感じるのかもしれない。)食べ終わると、暑さにやられたからか頭がズキズキ痛みだした。水を飲んで少し眠った。