高等遊民前夜

日記と考え事・雑感のログ

 仕事の疲れが抜けきらず目覚ましに叩き起こされた。仕事をする夢を見ていたからあまり寝た気がしない。ずっと仕事しているみたいだ。精神衛生上あまりよくないと思う。
 朝から天気が悪く曇り空。ただ、天気が悪い時のほの明るい部屋は好きだ。部屋の陰影が引き立って空気が引き締まる感じがする。谷崎潤一郎の随筆『陰翳礼讃』を思い出す。「我等に取ってはこの壁の上の明るさ或はほのぐらさが何物の装飾にも優るのであり、しみ/″\と見飽きがしないのである」と言っているように、陰影は装飾なのだなと思う。

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 10年前の今日は東日本大震災が起きた日。私は高校生で、田舎の春はまだ寒く、居間のコタツに脚を突っ込んで勉強をしていた。高校は進学校で課題が多く、毎日勉強漬けだった。その時、突然テレビ画面が突然切り替わり、東北の沿岸などの中継映像に切り替わった。つぎつぎに惨状を映し出すテレビに圧倒され、課題をやることを忘れて映像を見ていた。コタツに焼かれた足先が靴下の下で汗ばんでムズムズしていたあの感触を今でもよく覚えている。震災の映像を見ると、あの足先の不快な感覚まで呼び起こされるくらいに。まだ元どおりの生活ができていない人も多いと聞く。非日常であるはずの仮設住宅での生活が日常になっている人がいる。全てのひとにはやく平穏が訪れることを祈る。

 仕事。ハードワーク。目の前にあることに対応していたら。あっという間に20時を過ぎていた。ここのところ体感時間が狂っている。21時前に退勤。颯爽と早歩きで夜道を抜けた。

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 帰宅。同居人がカレーとナンを用意してくれていた。ナンは無印良品のやつだったけれど、フライパンではどうにも焼くのが難しかったらしい。インドカレー屋みたいにならないと。あれは専用の窯みたいなもので焼いているから、自宅で再現するのは難しいよな。でも味は完全にナンだったから感動。

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 その後、寝落ちしてしまっていたらしい。疲弊していたんだろうと思う。5時ごろに飛び起きた。

 

(陰翳礼讃が谷崎でいっとう好きだったりする。)