高等遊民前夜

日記と考え事・雑感のログ

苛立ち

 金曜日。晴れたり曇ったり。朝、晴れ間の隙に植物を外に出して水やりがてら日光浴をさせ、洗濯物を干した。今日は午後からウェブで研修があるからテレワーク。通勤のことを考えなくていいから、ぎりぎりまで寝ていられてありがたい。8時半始業なのに8時15分まで寝ていた。疲れがとれない。

f:id:hazukikose:20210717092857j:image

 今日はウェブの外部研修(終日)と、午後の職場の研修がバッティングした。自分のところの研修が優先だから、被っている分の外部研修は聴けないなと思っていたが、件の激ヤバ案件のせいで、外部研修は参加しないこととする。まあ、主催者側から資料も事前配布されているし、まあいいか、ということで。リモート用のPCに同居人のディスプレイを拝借して2画面にした。自宅にはコピー機がない。普段は印刷して見比べる作業も家ではできなくて不便しているから、画面を拡張して無理やり見比べている。非常に疲れる。

 そういえば、リモートワーク用のPCはセキュリティ上のリスク管理のため、在宅勤務する時だけ職場の貸し出し用を借りているけど、やたら重い。持ち帰るだけで腕が疲れるしPCバッグの持ち手も硬くて手が痛い。どんなだよ、と思いながら体重計に載せてみたら3.5キロもあって流石にドン引きをした。令和の時代にこの重量とは。いっちばん安い底辺中の底辺のPCなんだろうな。予算を削りに削られているから仕方ないということだろう。こんな世の中POISONだよな。私の中の反町隆史が嘆いている。

f:id:hazukikose:20210717092900j:image

 在宅はやはり心地よい。好きなタイミングでコーヒーが飲めるし、部屋は涼しいし、宅急便はいつでも受け取れるし、音楽を聴きながら仕事ができる。電話もかかってこない。自分が落ち着く空間に整えて仕事をできるだけでもかなりストレスの程度が違う。人とコミュニケーションが取れる職場で働きたい人もいるだろうから、自分の好みに合わせて選べるようになったらいいのに。シャッフルでかかったTempalayのこの曲が良かった。こんなポップなのもあるんだなと思うなどした。

 昼休憩。午後に新入職員と先輩職員の研修的なやつがあり、私は先輩職員側で参加する必要がある。ウェブ研修で顔を写さないといけないから、テレビを観ながら顔を作る。ワイドショーではオリンピックの話題ばかりだ。もうすぐオリンピックが始まる国のテレビとは似つかわしくない内容ばかり。小山田圭吾が五輪の開閉会式の音楽を担当することになった件、小山田圭吾の音楽的な経歴よりも、過去にいじめ加害者だった件が急速に拡散されて認知されていく様子を、私は興味深く思う。世の中には、生身の人としての作家と作品を別物と捉える考え方もあって、私も基本的にはその立場に立っていることが多い。人は嘘をつけるからだ。どんなに極悪人でも、優しい物語を紡ぐことができるし、男が女として文章を書くこともできる。そこにはある程度の技術が伴うだろうけれども。作品から想起される作者のイメージと、生身の人間としての作家の実態が乖離することは珍しいことではない。おとなしい音楽を作る人が実際には賑やかな性格だとか、よくある話だ。
 ただ、生身の人間としての作者と作品を完全に峻別することはできない。別物といっても、作品はその生身の人間が生み出しているものに変わりない。生身の人間がいくら自分と全く無関係の思想で、考え方で、主張で、と作品を作ったとしても、完全に自分という存在と無関係の作品は作れないだろうと思う。今回の小山田圭吾の件を見ている限り、世の中の人の大多数は、そう簡単に作家と作品が別物だなんて割り切れないのだろうけど、無理もないのだろうなと思う。実際にそういういじめをしていた人物が、自身の人生で得た経験や知識でもって、音楽をつくるわけだから、いくら自分の人生と切り離そうとしても、完璧はないだろう。それに、多くの人は小山田圭吾と聞いただけで今回の件を思い出す。音楽以前に印象が悪すぎるのだろうな。

 私は小山田圭吾小沢健二フリッパーズ・ギターが好きで、小山田圭吾コーネリアスとして活動してからも音楽がよく聴いていたのだけど、いじめ加害者の話を知ってから、正直これまでと同じようにコーネリアスの音楽を聴けなくなってしまった。これまでコーネリアスの音楽をいい音楽と思って聴いていた自分の感覚は間違いではない。でも、この情報を聞いた以上はこれまでと同じように受け付けないのだ。(それは私にいじめ被害者としての体験があるせいかもしれないけれど。)今回の件、最終的にはどんなふうに収束するのだろう、と少なからず興味を持っている。

 午後。研修。今回は新人と先輩職員の混合グループワークで、全員で課題をこなす、就活のグループワークの難しいバージョンみたいなやつだった。今回のグループはめちゃくちゃ非協力的というか、なんというか…みんな喋らないみたいな感じで扱いづらかった。仕方なしに私が司会をして回すんだけど、こちらからヒントを出して問いかけても意見を言わない、喋らない、でほとんど私が喋ってしまうし、それはいけない、と控えめにして聞き役に徹すると誰も喋らない。私だけが喋ったらそれはグループワークじゃない。どうすりゃいいんだ、とイライラしたけれど表面上は穏便に振る舞った。疲れた。新人が喋れない、どう発言したらいいか分からない、というのはいいんですけどね。先輩方(つまり同期)、頑張りましょうよ、と苛立った。私が変な部署で社畜しているから、変に気が強くなってしまっているような気がして罰が悪かった。環境によって人の気質は変わるのか。私は今の部署で、自分が動かないとなにも始まらない状況を強いられているから、誰も動かない状況に怒れてしまうのだろうか。感覚が麻痺しているのかもしれない。気をつけたい。