高等遊民前夜

日記と考え事・雑感のログ

残業宣言

 金曜日、なんとか生き延びた。今週は連日連夜残業でひどく疲れた。いつも帰宅後は適当にプロテインとかを飲んで気絶するように寝ていた。何度か寝落ちして朝風呂に入った。使用済みの食器は洗い場に溜まり、生活すべてがすこしずつ綻びている。

 昨年度は月あたり60時間を超えないように、残業をすべてつけていなかった。けれどこれからはキッチリつけて行こうと思う。上の人たちは私の持ち場の惨状を分かっていない(あるいは、見て見ぬふりをしている)から、私から訴えられる手段はこれしかない。欲しかったiPad Proが毎月一枚買えるくらい残業しなければならない私の状況がなんとか問題視されればいいなと思う。

 昨年度末、私の職場は上司が離脱したことにより、一人きりで自分たちの仕事を回していた。二人で残業をして回していた仕事を、私一人で。誰も助けてはくれない。加えて、自分たちの部門はセンシティブな内容の仕事を扱うから、他の係が職権的に関与できない。一人でやるしかない。出勤しなくなった上司にチャットで最低限の指示を仰ぎながら戦っていた。非常事態でした。残業し、帰宅しても自宅からテレワークで仕事していた。鬱で離脱した上司の仕事を、抗うつ剤を飲みながら部下がやる。とても健全な職場とは思えませんでした。まあ私の職場の人たちは私が精神的に参っていることをしらないのですが。

 その中で、昨年度末に終えていなければいけないものを、終えていなかったことが今週、判明しました。正確には、上司が残したシュレッダー行きの書類の山にそれが紛れていたのです。青ざめました。先方はかなりの厄介者で、その件でトラブルになってからの判明です。でも、それに気づいていなかった私にも非があるのだと思います。どんなに一人で忙殺されながら仕事を消化していたとしても、私が気づいてさえいればトラブルは回避できたのです。離脱した上司は、今ここにはいません。

 今週はそのトラブル対応で、各所に謝り倒し、今後の対応を考え、奔走していました。私がやるしかありません。社会人はつらいなあと改めて思います。自分が気付けなかったことが悪い。悪いと思いつつ、こんな状況にするまで私たちを追い込んだ職場にも恨むを感じてしまって、そんな自分にも自己嫌悪をしそうになる。春からの新上司やその上の人も、「状況が状況だったから仕方ないね」と言ってはくれたが、そんなの先方には関係なくて、結局は私が誠心誠意謝罪しなければいけないわけだ。仕事の対応をしながら、私は誰のために何をしているのか、次第にわからなくなってくる。私は私の生活のために働いているはずだ。はずだった。今回のお給料は、先月の残業のせいで、手取りで12万も多かった。でもそれを喜ぶべきなのだろうか。私は自分の時間を削ってお金をもらうより、家で自炊してゆっくり食事をしたり、お風呂に入ったり、本を読んだりしたかったのに。

 思えば、大学院に進学して研究職に就きたかった私は、文系研究職の現実に打ちのめされ、土壇場で就職した。私の同期はみな就職で、博士に進まなかった。それは研究室ではじめてのことだった。研究職に就くことが著しく難しい時代への転換期にいたと思う。付け焼き刃の就活対策で、幸運にも選べるくらいには内定をもらえた私は、上京したり地元の企業に入社したりする選択肢があったところ、公務員系の現職を選んだ。ただ限りなく残業の少ない仕事をして、プライベートを大切にしたい、ただそれだけだった。それだけのことが何故こんなにも難しいのだろう。私はいつから間違っていたのだろう、でも正しいとはなんだろう。

 年度末に上司が職場に来ていれば、そうはならなかったのだろうか。いや、もともともう二人でさばくには無理があった。これからも人員は増えないだろう。定員を増やすより、私が残業した方が安いのだから。

 22時過ぎにとりあえず職場を後にし、帰りの電車内の広告を見ていると、転職フェアの企業名等に自分の職場が入っているのを見つける。人手が足りないから、とにかく必死なんだな、と他人事みたいに思う。人がたくさん来てほしいと思う反面、こんなところに来ちゃダメだ、と転職中の人々に訴えたいのも本音。気をつけて、残業が月10時間なんて嘘だ。子育て中は時短勤務で帰れるなんて保証されていないよ。移動先の希望を聞いてくれた試しなんてない。先輩たちの意見はほぼ100%信じちゃいけない。そんなことを思いながら帰宅。ひどく疲れてしまった。

 同居人が見かねて、最寄りのすき家で牛丼を買ってきてくれた。三種のチーズ牛丼。美味しそうだけど900キロカロリーくらいあってドン引きする。ドン引きしたけど、昨日の昼から何も食べていなかったからぺろりと完食してしまった。同居人は心配してくれているのか、とにかく私にお菓子を食べさせようとしてくる。恐ろしい。体重は先週より4キロ落ちていた。

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 仕事を辞めるならいつにしようか、考えていたら疲れ切って1時ごろ就寝。