高等遊民前夜

日記と考え事・雑感のログ

電車のように

 1月11日(月)。成人の日。朝は曇っていたけれど昼から晴れた。

 10時頃に起床。やはり目覚ましをかけないと私はこの時間に起きるらしい。ベッドのシーツやカバーをひっぺがえし、洗濯機を回す。朝から立て続けに三度回して全て干して、テレビをぼんやり眺めながら珈琲タイム。KALDIの安い豆だけれど、買いたて挽きたての豆は美味しい。今日はとりわけうまく淹れることができた。毎日歌壇に送った短歌が採用されたことも確認。いつ送ったものか思い出せないけれど、掲載されると安心する。うれしい朝だ。テレビでは成人式の話題。私の成人式は散々だった。

 当時塾のバイトをしていて、成人式前日はバイト先の新年会だったと思う。そこへちょうど視察に来ていた塾のお偉いさんが参加することになって、上記ツイートにある通りの運びとなった。参加していたバイトの中には私と同様に成人式を控えた人がいたけれど、場の圧力に屈して「明日成人式なんで…」なんて口が裂けても言えず、結果として全員が腹を下すこととなった。当日、振袖を着た私は、式典中に腹の調子が急変し、途中退席してトイレで格闘しながら親に迎えを頼んだ。そもそもその後の同窓会(という名の飲み会)には私も仲良い友達も不参加だったから、あまり影響はなかったけれども。成人式に参加しただけえらい。とにかく生牡蠣すさまじ。
 中学時代までの日々の多くにいい思い出はなく、仲良い友達とは成人式でなくとも会う。晴れ着を着ることに夢もなにも持っていなかったし、自分の容姿に諦めがついていたから、写真を撮りたいとかもなかった。ただ牡蠣に当たって苦しかっただけの思い出。でも、この日をほんとうに楽しみにして準備に準備を重ねてきた人たちがいて、その人たちを思うといたたまれない。きっとこの日の再会で始まる恋のひとつやふたつもあっただろうに。コロナはあらゆるものを奪っていくね。私なんかが成人式ができて、なんで、って思う。

 昼はとにかく暇だったから、Netflixで映画『パラサイト』を観た。富豪の家庭に寄生する貧しい人々の話。アカデミー賞受賞作さすが。面白かったけどネタバレしそうであまり書けない。ずっと前から、邦画は韓国映画に負けているなと思っていたけれど、いよいよだなと感じる。邦画は、一部の監督をのぞいて、原作の実写化とか、ドラマの続編だとか、そういうしがらみを感じて殆ど観ていない。映画のために脚本書いて制作してっていうのが難しいのだろうな。ともあれいい時間の過ごし方をした。

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 夜。今夜は和風ハンバーグとシーザーサラダ。北野エースで買ったドレッシングを早くも使いたくなった。スライスチーズを電子レンジでカリカリに焼いたものを砕いてサラダに散らすのがお気に入り。これが最高にうまい。ドレッシングは酸味と苦味が絶妙で美味しかった。写真がうまく撮れていなくて悲しい。

 食後、twitterを見ると朝のツイートが謎に伸びている。

 いつもと同じノリで呟いているのに、たまにこういうことがあるから人の反応は不思議で難しくて面白い。私はTwitterは、電車で一緒に乗り合わせた人々の生活や会話や独り言を見聞きしているような感じが好きだ。電車の中には友達や、いつも同じ時間に電車に乗るけれど一言も話したことがない人、たまに電車で顔を合わせる人、はじめて見る人、電車の広告など、あらゆる情報がある。私は電車に乗ってそれらの情報や話を得てもいいし、得なくてもいい。いつ電車に乗ってもいいし、そもそも電車に乗らなくてもいい。話しかけてもいいし、話しかけなくてもいい。話しかけないけれど、顔馴染みがいるとうれしいし、いないと心配になる。私にとってTwitterはそんな感じ。自由で心地いい。これこそネットという感じ。
 だから、たまにツイートがこういう変に伸びると、偶然混んでいる電車に乗って、思いもよらず車内に私の独り言が響いてしまったような、気まずいような変な感じになる。初対面の人が多い、いつも乗らない路線に乗った感じ。面白いなあと思う、三連休の最終日。

 

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