高等遊民前夜

日記と考え事・雑感のログ

交錯

 水曜日。相変わらず仕事が正念場。ずっと正念場。

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 夜遅く帰宅して、ryuchellの訃報に驚いていた。なんでこの世は何度も何度も同じようなことが起こってしまうのだろう。暗澹とした気持ちだ。

 ryuchell氏のことで思い出すことがある。大したことではないのだけど、まだ私が大学院で学生をやっていたころ、野暮用で大阪まで新幹線に乗ったときに、ryuchell氏らと乗り合わせたことがある。ちょうどぺこ&りゅうちぇるとして2人が人気を博し、独特の衣装で毎日のようにテレビに出ていた記憶だ。2人は多分とても忙しいか、テレビに出演している時のあの衣装のまま新幹線に乗り、大阪での次の日収録に移動している様子だった。
 私の席はぺこ&りゅうちぇるのすぐ近くで、新幹線に乗り込んで自分の席に行く時に、すぐ彼らがぺこ&りゅうちぇるであることに気づいた。それでも平日の新幹線は大半がサラリーマンで、誰も二人に話しかけたり騒いだりすることもなく静かだった。聞き耳を立てている訳ではなかったけれど、ぺこ氏とりゅうちぇる氏がしばしば談笑しているのが聞こえてきた。当時はまだ2人がビジネスカップルなのではという疑惑さえあり、私は時折耳まで届いた会話から、2人は本当のカップルなんじゃないかな、と思った。それくらい取り止めのない、くだらない話をしていたように思った。

 ただ昔偶然、新幹線で乗り合わせたことがある、正直ただそれだけのことなんだけれども、テレビで拝見するたびに「ああ、新幹線で乗り合わせた微笑ましいカップルだ」というふうに思っていた。もう、あのうちの一人はいなくなってしまったのか、という仄かで確かな喪失感がある。あの人の生き方と信念を受け入れられない人は多かったのだと思うけれど、誰もこんなことは望んでいなかったのではないかとも思う。悲しいことばかりだ。