高等遊民前夜

日記と考え事・雑感のログ

#ILoveYouツアー/フジファブリック

 金曜日。テレワーク。というより、フジファブリックのライブに間に合わせるためにテレワーク勤務にした。コロナの影響で前回のツアーが中止になって、久々に名古屋で観られるから、もうそれはそれはめちゃくちゃ楽しみにしていたのです。18時開演だから、確実に定時退勤しなければ間に合わない。

 仕事はまあまあ面倒なことが起こって頭を抱えたのだけど、今日いますぐにどうこうできる話でもないから、とりあえず来週以降の自分が頑張るということにした。同居人は本日は休暇。パソコンをカタカタし続ける私の側でのんびりしていた。うらやまし。

 お互いフジファブリックのファンだから、一緒にライブに行けるのはいいな、と思いつつ、そもそも音楽好きだから興味のないミュージシャンのライブにも来てくれる人なのであった。こういうことを考えると、自分と趣味が一緒で、なおかつ趣味に理解がある人というのは重要だなと思うのであった。ピーナッツとのコラボの過去Tシャツを着てZepp Nagoyaへ向かう。グッズTだってわかりにくいデザインのやつはやっぱりいい。といいつつ、同じTシャツを着ているから地下鉄でいろんな人にジロジロ観られていたたまれなかった。

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 座席はPA卓の前ど真ん中だった。ライブハウスだけど、コロナ対策の都合上、パイプ椅子が並べてある座席指定の公演だった。座席は一個おきに誰も座らない空席を作ってあって、ソーシャルディスタンスが保たれるようになっていた。これだけ客の人数を間引いていたら全然収益無いだろう。むしろ赤字の可能性もある。そんななかでツアーをやってくれることが嬉しい。
 ライブによく行く人には常識だと思われるけれど、PA卓付近は会場内でいちばん音のいい場所。おまけに自分の列から会場に段差があって目線が高くなる場所だったから、真正面からステージが一望できる良い席だった。ライブハウスで見やすいなんて滅多にないからレアな体験ができている。

 ライブは、直近のアルバムである『I Love You』の楽曲を中心としたものだった。結構意外な選曲で面白かったです。「Walk on the way」とかすごく意外だった。心なしかMCも多かった。あと音が信じられないくらい良かった。こんないい席でいい眺めで観ていいの?と心配になる。

 MCでは、コロナ禍で思うように音楽活動ができないことへの葛藤について触れる部分が多くて、こういった興行で生計を立てているエンタメ業界の人たちの大変さが垣間見えた。フジファブリックはボーカルの志村正彦が他界するという、危機的状況を乗り越えてなお続いてきた奇跡のバンドでもあるけれど、本当に予期しないバンドの危機に見舞われきたんだなと感じる。客の少ないツアーでおそらく収益はないけど、それでもやるのは、ツアーをすること自体がバンドのアイデンティティでもあるからなんだろうな。そういった決意を感じたメッセージ性の強い公演だった。

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 余談としては、ボーカルの山内さんの身長が高いからギターが小さく見えて笑えたし、元々ギターなのにもはや志村正彦の比ではないくらいの圧倒的歌唱力になっているなと感じた(※志村正彦の歌唱力を貶める意図はなし、あの歌は志村にしか歌えない超絶スペシャルなものなので…)。ライブに行くたびに感じるけど、ベテランのバンドはやっぱり演奏が上手い。継続は力なりなんだろう。安定感抜群でひ〜と唸った。あと、自分のいくライブのサポートドラムの伊藤大地率が高すぎることに気づいた。優秀なドラマーは取り合いだと聞くが…。

 21時くらいに終演。モスバーガーでご飯をテイクアウトして、同居人と感想を言い合いながら帰った。同居人が「ダレる時間が一瞬もなかった」って言っていて、確かにそうだったと気づく。別の思考が入る隙間もないくらい充実していたし、3時間があっという間だった。とてもいい時間だったのだと思う。

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楽園

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