高等遊民前夜

日記と考え事・雑感のログ

岡本太郎展に行ってきたよ

 土曜日。今週末は明日に知事選挙がある以外は特段の用事がない、久々のまっさらな週末だった。一月は公私共に心配事とストレスの多く、何かと忙しくしてしまった。その結果として生活のあちこちにほころびが生まれてしまっている。

 生活のほころびというのは借金が嵩んでいるとか水道が止められたとかそういうことではなくて、もっと些細なものだ。醤油挿しなどに調味料が補充されないままになっているとか、部屋の隅に埃が溜まっているとか、冷蔵庫がすっからかんで作り置きの常備菜もないとか、なんとなく部屋が散らかって混沌としているとか。そういう些細な生活のツケがたくさん積もり積もって、どこから手を付けようにもすべてが億劫になってしまった状態だ。すべて自分が日ごろの忙しさや疲労にかまけて後回しにし続けた結果としての負債だ。これらをこの週末に、可能な限り片付けてしまわないと。そろそろ生活リズムを整えないといけない。
 ということで、朝から4回くらい洗濯機を回し、その数だけベランダに出て、掃除機もかけてシンクも磨いた。ついでに風呂も磨いた。ソファの前に置いているテーブルを拭いたらこの世の終わりかってくらい汚くて自分自身に幻滅した。汚れを汚れと認識した途端に部屋が汚くなっていく。汚いと認識するまえは平気でくらしていた私自身が許せなかった。

 午後から同居人と名古屋で開催中の岡本太郎展へ行く。近所のローソンで先にチケットを発見して向かった。たぶん今週を逃すともう行けない気がしていた。そういう予感は大体当たるものだ。私の怠惰さは私がいちばん分かっているのだ。

 県立美術館着。先にチケットを発見してたからスムーズに入場できた。午後からだからか心配していたほどは混んでいなかった。

 絵だけじゃなくて彫刻作品や製品化されたグッズも展示してあって、やっぱり立体の作品があると空間が華やぐなあと思ってしげしげと見た。土偶インスパイアのアニミズム漂う作品が不気味で可愛かった。作品から出る熱量が凄まじすぎて退場する頃にはかなりの疲労感があった。一眼で作り手がわかるものを生み出している作り手はすごい。

  帰りに物販を除いていく。珍妙な絵がプリントされたハンカチやエコバックをJKたちが「かわいい~」と言って買うかどうか悩んでいるたりして最高の光景だった。レジは全然混んでいないのに店内が過剰に混み合う謎。みんな何を買おうか悩みすぎ。図録と太陽の塔のミニチュアフェギュアと、何が出るか分からないガチャ要素のあるフィギュアボックスを購入。太陽の等のフィギュア、ネットだと異様に高騰しているから定価で買えてうれしかった。

 ついでに隣のNHKビルも覗いた。昔放送していた「TAROMAN」という特撮の展示(無料)がされているのだ。残念ながらヒットしなかったらしく、関連グッズは公式にもあまり残っていないらしい。展示されているグッズが軒並みサカナクション山口一郎の私物で笑った。どんな家庭で育つとTAROMANのヘビーなファンになってサカナクションを結成したりするんだよ。

 帰宅して「何が出るか分からないガチャ要素のあるフィギュアボックス」をあけるとこちらからも太陽の塔が出てしまった。太陽の塔好きだからいいですけど、太陽の塔がめっちゃ好きな人みたいになってしまった。植物に紛れわせて置いた。異様な部屋。