高等遊民前夜

日記と考え事・雑感のログ

虚無の日曜日

 日曜日。ようやく一日まるごと余白みたいな日がやってきた。今日は予定がない。この一週間は、なんとか以前の日記で書いたどん底の気分から這い出して、それなりにちゃんと仕事をした。昨年の忙殺具合と比べればずいぶんゆとりがあるはずなのに、帰宅したら猛烈な眠気に襲われる。それでもなんとか最低限の家事をこなした。何が言いたいかというと、ほとほと疲れたということだ。

 疲れやすいのは寒暖差のせいなのだろうか。そういうことにしたい。今の私の執務室はとても古いコンクリート造の建物にある。この季節は仕事をしていると底冷えして過酷だ。外の方が暖かいことさえある。今週からエアコンを入れ始めたけれどこれがまた古くて、効き出すまでに時間がかかるくせに、効き始めると暑すぎて汗ばむ。毎日異様な寒暖差に晒されて疲れたのかもしれない。そういうことにしよう。

 今日は同居人が休日出勤でそのまま夜勤だ。一緒に起きて、カフェモカを淹れて送り出した。ひとりになった家で、私はいそいそと植物たちを家の中に取り込んだ。ベランダはもう初冬の気配がする。冬に強い子たちは外、弱めの子たちはとりあえず中に入れた。しばらくはこれで様子を見ることにする。健康状態を見て、また外に出すかもしれない。それにしてもどんどん部屋がゴツくなっていくな。こんなはずじゃつもりじゃなかったのに。何事も極め始めると大衆的なおしゃれさからは遠ざかっていく。

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 今日一日とくに何も予定がなくて、何をしようか考えて、やりたいこともやらなければならないこともたくさんあったけれど、何だかどれも気分ではなかった。最低限の家事だけ済ませて私がしたのはただひたすら眠ることだった。昼まで爆睡。昼食はトーストに挽き割り納豆をとスライスチーズを乗せて食べた。自分ひとりだとどうも食事がどうでもよくなる。

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 トーストを食べたらまた眠たくなって、20時くらいまで眠って起きてをずっと繰り返していた。眠っても眠っても眠い。この一週間は無駄に過剰な落ち込みと過剰な寒暖差で疲れていたのだ。仕方がない。そうやって自分に思い込ませて体を横たえていた。休日にだらだらしようと誰も責めたりしないのに、何もしないで寝ているなんて理由がないといけない気がしてしまう。ずっと馬車馬のように不眠不休で勉強していた進学校時代の根性が抜けていないのかもしれない。あの頃は努力するのは当然で褒められもしなくて、努力しないことは悪だったな。もういい加減、頑張りつづけることは疲れた。たまには寝かしてくれ。

 夜はプロテインを食事がわりに飲みながら積読した漫画を読んでいた。『あなたはブンちゃんの恋』終わってしまった。宮崎夏次系の漫画は、理性的に生きている私たちが到底できない不条理をたくさんやってくれるから好きだ。よく仕事をしていて「職場が爆発しないかな」とか「何もかも捨てて遠くへ行きたい」とか思ったりして、でもそんなこと実行できなかったりするんだけど、この人の漫画はそういうことをやってくれて、徹底的に傷つけて傷ついて、ということをしてくれる。メチャクチャで不条理で好きだ。いま4巻まで無料で読めるっぽいから、気になるかたは読んでみてね。他の過去作も無料で読めるらし。

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 峰浪りょうの『少年のアビス』という漫画も既刊10巻までまとめ読みした。電子書籍のクーポンで安く買えたのだ。このひとの漫画は『ヒメゴト』も読んでいてかなり好きだったのだけど、若者の生きづらさと女性の狂気の解像度があまりにも高すぎて、少し怖い。『少年のアビス』もいろんな生きづらさや人間の狂気みたいなものが描かれているけれど、特に田舎特有の閉塞感は自分にも覚えがあってひどく刺さった。地縁に裏打ちされた呪いのような故郷だ。私もそこから逃げる唯一の手段が「大学へ行き街で働く」ことだったから、共感しながら読んだ。

 やたらとはてなブログのアクセスが伸びているなと思ったら、はてなブログのトップで記事が紹介されているようだ。ジブリパークに行ったときのやつ。陰日向のブログだから取り上げられるたびに、はてなブログ公式さんの守備範囲の広さにびっくりする。毎日ブログ記事読んだりするお仕事なのかな。なんて素敵な職業だろう。転職させてください。はてブロ転活。

 今日は本当に寝るか漫画読むかしかしていない。明日からはまた元気いっぱいに頑張ります。