木曜日。休暇を今日から2日取り、四連休を生み出した。久々のまとまった休み。土日休みだけでは平日に出来なかった家事の処理で終わってしまうから嬉しい。手始めに近所の公園を散歩。東海地方も梅雨入りしてしまったけれど、早朝、少しだけ青空が見えた。
ワイヤープランツもよく見ると花を咲かせてある。わずか3ミリくらい。目を離したすきに夏になって季節はあっという間に通り過ぎてしまいそうだ。
夕方から羊文学のライブのためにZepp Nagoyaへ。ツイッターでチケットが取れなかったことを嘆いたところ、幸運にも親切な方にお声がけいただき譲ってもらえたのだ。ネットはきな臭かったり恐ろしいことも多いけれど、砂金のように嬉しいことも多い。朝と打って変わってむせかえるような湿気の中を向かった。髪の毛が爆発する。
ファン層はなんとなく若い人(大学生くらい?)が多いのかなと思っていたけれど、意外にガチ音楽ファンという風貌のミドル〜シニア世代もけっこう居て驚いたりした。羊文学って存在自体はポップだし、歌声もポップだし、ポップな楽曲もあるっちゃあるんだけど、聴いてみるとなかなか渋い音楽だと私は思っている。やっぱりコアな音楽ファンが着いてくるんだなと感心した。一方で、多分羊文学で初めてライブに来たんじゃないかってくらい、キョロキョロして地に足が着いていない大学生の女の子たちも居て、聴衆の振り幅が面白かった。
ライブはステージを半透明な白い布で覆い,一つの白熱球を明滅させて薄ぼんやりした中ではじまって、すごく質素な演奏からのスタートだったけれど、向こう側にいるメンバーの存在すら不確かで陰だけが幕のうえで揺れている感じが、羊文学の儚くてでも鮮明な痛みのある歌詞の世界と合っていて印象的だった。可愛らしい伸びやかな声、ワンピースと、シンプルなドラム、でもどんどん増幅してその歌声さえかき消しそうな強いリバーブのかかったギターなどの音が大音量で続いたと思ったら、その増幅をあっさり手放して静かになったりと、音源で聴くよりも遥かに混沌としていて二面性があるロックだった。
たぶん羊文学って、存在自体がポップだし、エモいとかお洒落だとかなんだとかで色々人気だと思うんだけど、やっていること自体はとても普遍的でタイムレスないい音楽だから、時代の流行の中で消費されたりしないで好きな音楽をやりながら歳をとってほしいな、と老婆心ながらに思った。以前にも同じようなことを書いた記憶があるけど、音数も言葉数も多い作り込まれた音楽がとても増えている中で、余白が沢山あっていい意味で作り込まれていない音楽だからこそ、また違った普遍性があっていいと思う。また行きたいな。チケットを譲ってくださった人に感謝。