高等遊民前夜

日記と考え事・雑感のログ

自愛欠乏症

 金曜日。もう何もかも無理オブ無理になってお気持ちが死亡、とりあえず午後休にして早々に帰った。今年度に入ってから平日も休日も仕事ばかりで底抜けに疲れてしまった。ほどほどのお給与でほどほどに働きたかっただけなのに、一体どこから間違えたのだろう。もしかしたら間違えたのではなく、ここに、この時代に生まれたというだけで間違いのような気もするけど、そうは思いたくない気もする。とにかく疲れている。自愛という自愛が足りない。全く足りない。足早に退勤しながら、週末は絶対にメールを見ないぞと決め込んだ。私にどんな案件が舞い込んでいたって死んでも観るものか。私の健康的で文化的な最低限度の生活を守るための貴重な休日だ。以後とは休み明けの私がなんとかしてくれるはずだ。あとは知らない。

 急にぽっかりと予定のなくなった午後にどうしようかと思って、日々の事務仕事でボロボロになった爪を補強した。日々のタイピングとか、書類の作成とかでありえないほど爪が割れたりかけたり傷ついたりする。爪やささくれを切ってオイルを染み込ませて、気休めにベースコートを塗って保護した。あまり爪に塗るのは好きではないのだけど、背に腹は変えられない。
思えば手もボロボロ、眉はボサボサ、髪もボサボサ。自分にまつわる全てが後回しになっている。それが悲しかった。

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 その後は何をすることもなく横になって時間が過ぎるのを待っていた。無為な時間を過ごせすのがあまりに久しぶりで心が震えた。最近の余暇は何かをするための時間であって、何もしない余暇はなかったからだ。ゼルダの伝説ムジュラの仮面というゲームで、世界の滅亡を回避するために「時のオカリナ」を使って、何度も世界滅亡前の三日間を繰り返すのだけど、そのオカリナを使って休日を何度も何度も繰り返したい気分。

 夕方。空が綺麗にグラデーションになっていてきれい。秋から冬へ近づいていく時の空だ。最近は仕事で夕暮れ時を見ていないから新鮮に感じた。

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 その後、同居人が仕事から帰宅。仕事を早退してワクチン2回目を接種してきたらしい。今回は早速腕に違和感があるみたいではしゃいでいた。明日には寝たきりになるだろうに。自愛が足りないから美味しいご飯が食べたいと言って、近所の(ちょっと高い回転)寿司へ行った。板前さんが握ったお寿司をわざわざ回転させているよく分からない店。回ったものを取らなくても、直接注文すれば直接カウンター寿司が食べられる。よく分からない。邪道なことにサーモンが好きだからひたすらサーモンを食べた。少しだけいい夜だった、自愛大事。

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